2020/11/2、肥満、生活習慣因子の修正による痛風の一次予防について調べた研究「Estimation of Primary Prevention of Gout in Men Through Modification of Obesity and Other Key Lifestyle Factors」の要旨をまとめました。


2020/11/2、肥満、生活習慣因子の修正による痛風の一次予防について調べた研究「Estimation of Primary Prevention of Gout in Men Through Modification of Obesity and Other Key Lifestyle Factors」の要旨をまとめました。高尿酸血症に対する肥満、危険因子修正の集団への影響は横断研究によって推算されていますが、しかしながら、痛風発作の発生率を臨床評価項目として因子修正によって予防可能かどうかは十分にわかっていませんでした。肥満、危険因子修正によって痛風発作の発生をどれほど回避可能か評価するために、アメリカ、前向きコホート研究「Health Professionals Follow-up Study」にて、1986年に医療従事者51529例を登録、2年ごとに問診追跡、2012年まで追跡しました。自己報告による痛風発作は2015年まで収集しました。2016年、完結、完全なデータを使用、解析、2019年まで統計解析を実施しました。個人問診収集データによって、4因子の組み合わせ、正常BMI、アルコール摂取なし、高血圧防止食(Dietary Approaches to Stop Hypertension: DASH)のアドヒアランス、利尿薬使用なし、によってリスク分類しました。アメリカリウマチ学会の暫定調査クライテリアに一致した痛風発作の人口寄与危険度、全体、BMIごとに算出しました。結果、44654例、平均年齢54.0歳、登録時に痛風発作の既往はありませんでした。26年間の追跡において、痛風発作1741例(3.9%)発生しました。参加者のうち、4項目の危険因子の組み合わせの人口寄与危険度は77%(95% CI, 56%-88%)でした。BMI25.0未満、正常体重、BMI25.0から29.9の過体重において、DASH食、アルコール摂取なし、利尿薬使用なしの組み合わせによって、半数以上(69% [95% CI, 42%-83%] and 59% [95% CI, 30%-75%], respectively)の痛風発作は予防可能であると推算されました。しかしながら、BMI30以上、肥満においては、有意差なし(5% [95% CI, 0%-47%])でした。コホート研究の所見から、肥満、危険因子修正は、痛風発作の発生の大多数の予防可能な潜在性があることを示唆しています。肥満の男性は体重減少なしに、修正の有益性はないかも知れません。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33231639
痛風発作の予防に関して、体重、アルコール摂取の有無、高血圧防止食、利尿薬使用の有無の4項目の危険因子が少なければ少ないほど痛風発作の予防可能で、最大69%であったとの報告です。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/1208533908

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