2020/11/30、低脂質ヴィーガン食と成人の体重、インスリン感受性、食後代謝、心筋細胞内、肝細胞内脂質値への影響を調べた研究「Effect of a Low-Fat Vegan Diet on Body Weight, Insulin Sensitivity, Postprandial Metabolism, and Intramyocellular and Hepatocellular Lipid Levels in Overweight Adults A Randomized Clinical Trial」の要旨をまとめました。過体重、インスリン抵抗性は2型糖尿病、他の健康課題につながります。食事介入が必要とされています。過体重の成人に対して、低脂肪ヴィーガン食、体重、インスリン抵抗性、食後代謝、筋細胞内、肝細胞内脂質値に与える影響を調べるため、2017年から2019年、ワシントン州にて、16週間の無作為化臨床試験を実施しました。医療機関のフライヤー、新聞、ラジオ広告に反応のあった3115例のうち、25歳から75歳、BMI28から40、電話スクリーニング後、244例が参加基準を満たしました。介入は無作為化、介入群122例は低脂肪ヴィーガン食、対照群122例は食事変化なし、16週間追跡しました。開始から16週まで体重測定、二重X線吸収測定法にて体組成、内臓脂肪を測定しました。インスリン抵抗性は恒常性モデル評価、予測インスリン感受性指標(predicted insulin sensitivity index: PREDIM)によって評価しました。食事熱影響は720kcalの標準朝食後、3時間後の間接熱量測定法によって測定しました。44例において、肝細胞、筋細胞内の脂質を、陽電子磁気共鳴分光法によって定量化しました。反復測定解析にて統計解析を実施しました。結果、244例参加、女性211例(87%)、白人117例(48%)、平均年齢54.4歳でした。16週間後、体重は介入群で5.9kg有意に低下(95% CI, 5.0-6.7 kg; P < .001)しました。食事熱影響は介入群で14.1%有意に上昇(95% CI, 6.5-20.4; P < .001)しました。介入群で恒常性モデル評価は低下(−1.3; 95% CI, −2.2 to −0.3; P < .001)、PREDIMは上昇(0.9; 95% CI, 0.5-1.2; P < .001)しました。肝細胞脂質値は介入群で34.4%低下、中央値3.2%から2.4%、有意差あり(P = .002)、筋細胞内脂質値は10.4%低下、中央値1.6%から1.5、有意差あり(P = .03)でした。対照群においては16週間で項目に有意な変化を認めませんでした。PREDIMの変化は体重の変化と負の相関関係(r = −0.43; P < .001)を満たしました。肝細胞、筋細胞内の脂質値の変化はインスリン抵抗性と相関関係(both r = 0.51; P = .01)を認めました。低脂肪植物ベース食介入はエネルギー摂取量減少、食後代謝改善によって体重を減少しました。この変化は肝細胞、筋細胞内脂質を低下、インスリン感受性の向上と関連をしていました。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2773291
低脂肪ヴィーガン食によって、体重減少、インスリン抵抗性改善を認めたという論文です。16週間続けると効果はあるんですね。
2020/11/30、低脂質ヴィーガン食と肥満成人における体重、インスリン感受性、食後代謝、筋細胞内、肝細胞内脂質値への影響を調べた研究「Effect of a Low-Fat Vegan Diet on Body Weight, Insulin Sensitivity, Postprandial Metabolism, and Intramyocellular and Hepatocellular Lipid Levels in Overweight Adults A Randomized Clinical Trial」の要旨をまとめました。