2020/12/23、27ヒドロキシコレステロール、エストロゲン受容体活性を介したSLC22A12遺伝子発現について調べた研究「27-Hydroxycholesterol regulates human SLC22A12 gene expression through estrogen receptor action」の要旨をまとめました。

2020/12/23、27ヒドロキシコレステロール、エストロゲン受容体活性を介したSLC22A12遺伝子発現について調べた研究「27-Hydroxycholesterol regulates human SLC22A12 gene expression through estrogen receptor action」の要旨をまとめました。尿酸の排泄、再吸収は尿酸トランスポーターによって調整されています。肥満、高コレステロール血症、インスリン抵抗性、メタボリック症候群においては、尿酸トランスポーターの発現増加、尿酸排泄の減少と関連する可能性があります。しかしながら、尿酸トランスポーターに対するコレステロールの影響、メカニズムは十分にわかっていませんでした。コレステロール代謝における27ヒドロキシコレステロール(27-hydroxycholesterol: 27HC)は尿酸再吸収トランスポーター「URAT1」のアップレギュレーション、エストロゲン受容体を介して「SLC22A12」にコードされています。転写モチーフ解析の結果、SLC22A12遺伝子は、SLC22A11、SLC22A13等の他の尿酸再吸収トランスポーターと比べて、エストロゲン反応領域を促進、27ヒドロキシコレステロール活性化SLC22A12遺伝子はエストロゲン反応領域を介してエストロゲン受容体を促進します。さらに、27ヒドロキシコレステロールは腎臓におけるSLC22A12遺伝子発現を上昇します。本結果は、高コレステロール血症において、27ヒドロキシコレステロール値の上昇、URAT1/SLC22A12発現、尿酸再吸収の増加、さらに血清尿酸値の上昇と関連をしている可能性を示唆しています。詳しくは論文をご覧ください。
https://faseb.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1096/fj.202002077R
尿酸とコレステロールの関係は、高脂肪、高プリン体の食事だけではなく、コレステロール高値から尿酸再吸収という作用機序で関連しているとの報告です。高尿酸血症においてはコレステロールに気を付けることも大切になって来るかも知れませんし、新たな作用機序の新薬開発に貢献する発見かも知れません。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0105534245/

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