2020/12/22、外来、家庭、自由行動下の血圧測定の信頼性、左室容量との関係性について調べた研究「Reliability of Office, Home, and Ambulatory Blood Pressure Measurements and Correlation With Left Ventricular Mass」の要旨をまとめました。

2020/12/22、外来、家庭、自由行動下の血圧測定の信頼性、左室容量との関係性について調べた研究「Reliability of Office, Home, and Ambulatory Blood Pressure Measurements and Correlation With Left Ventricular Mass」の要旨をまとめました。外来血圧(office blood pressure: OBP)、自由行動下血圧(ambulatory BP: ABP)、家庭血圧(home BP: HBP)の信頼性、予測有効性を調べることは、高血圧の診断、心血管疾患リスク推定のためにどれがベストかかわります。外来血圧、家庭血圧、自由行動下血圧の信頼性、各測定と左室容量指標(left ventricular mass index: LVMI)との関係性を評価するために、408例、3回受診の外来血圧、3週間の家庭血圧、24時間の自由行動下血圧測定、2次元心エコー、地域観察研究「IDH」(Improving the Detection of Hypertension)研究を実施しました。平均年齢41.2歳、女性59.5%、25.5%アフリカンアメリカン、64.0%ヒスパニックでした。結果、家庭血圧1週間、外来受診3回の水銀血圧計(mercury sphygmomanometry)、24時間自由行動下血圧測定の信頼性はそれぞれ、収縮期血圧について0.938、0.894、0.846、拡張期血圧について、0.918、0.847、0.843でした。外来血圧、家庭血圧、自由行動下血圧の相関関係は、回帰減衰修正後、0.74 から0.89でした。外来血圧、24時間自由行動下血圧測定の多変量調整後、収縮期血圧、拡張期血圧10mmHg高いことはそれぞれ、左室容量指数、5.07(standard error [SE]: 1.48)、3.92(SE: 2.14)g/m2高値と関連していました。家庭血圧調整後、外来血圧の収縮期血圧、拡張期血圧、自由行動下血圧測定はいずれも左室容量指数と関連を認めませんでした。外来血圧、家庭血圧、自由行動下血圧は別のパラメータを評価しています。3回受診の外来血圧、24時間自由行動下血圧測定と比べて、1週間の家庭血圧の収縮期血圧、拡張期血圧はより信頼出来て、左室容量指数とより強い関連を認めました。本結果から1週間の家庭血圧測定は高血圧の診断アプローチとしてベストである可能性が示唆されました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33334418
以前から言われていることですが、血圧の評価には「家庭血圧」がベストという報告です。確かに、診察室の血圧測定、待合室の血圧測定ではかなり高めに出る方も多いです。やはり信頼性が一番高いのは家庭血圧です。


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