2020/10/14、赤肉摂取と冠動脈心疾患リスクとの関係を調べたアメリカの研究「Red meat intake and risk of coronary heart disease among US men: prospective cohort study」の要旨をまとめました。

2020/10/14、赤肉摂取と冠動脈心疾患リスクとの関係を調べたアメリカの研究「Red meat intake and risk of coronary heart disease among US men: prospective cohort study」の要旨をまとめました。加工赤肉(processed red meat)、非加工赤肉(unprocessed red meat)、両方と冠動脈心疾患のリスクとの関係、赤肉と冠動脈心疾患リスクを代用するための他のたんぱく摂取源について調べるために、食事、生活習慣因子を繰り返し測定、前向きコホート研究を実施しました。アメリカ、1986年から2016年、「Health Professionals Follow-Up Study cohort」、男性、登録時には心血管疾患、がんの既往なし、43272例を登録しました。主要評価項目は、冠動脈心疾患、急性非致死性心筋梗塞、致死性冠動脈心疾患としました。Coxモデルを使用、各転帰と赤肉摂取のハザード比、95%信頼区間を算出しました。置換解析にて、赤肉、代替食品の比較係数を算出しました。結果、1023872人年の追跡期間中、冠動脈心疾患4456例記録、そのうち1860例は致死性でした。食事危険因子、非食事危険因子の多変量調整後、非加工赤肉、加工赤肉、両方は冠動脈心疾患リスクとわずかに関連、総赤肉1.12(hazard ratio for one serving per day increment: 1.12 (95% confidence interval 1.06 to 1.18)、非加工赤肉1.11(1.02 to 1.21)、加工赤肉1.15(1.06 to 1.25)でした。赤肉と比べて、1日1食をナッツまたは大豆等の植物性たんぱく質源に置き換えた場合、冠動脈心疾患リスクは総赤肉と比べて0.86(0.80 to 0.93)、非加工赤肉と比べて0.87(0.79 to 0.95)、加工赤肉と比べて0.83(0.76 to 0.91)と減少しました。赤肉を全粒穀物、乳製品へ置き換えること、加工赤肉を卵に置き換えることは冠動脈心疾患リスク低下と関連を認めました。マメ科植物、ナッツ、大豆等の良質な植物性食品に赤肉を置き換えることは冠動脈心疾患リスクを減少する可能性があります。赤肉を全粒穀物、乳製品へ置き換えること、加工赤肉を卵に置き換えることはリスク減少する可能性があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.bmj.com/content/371/bmj.m4141
赤肉、特に加工赤肉は冠動脈疾患リスク上昇と関連があるとのアメリカからの報告です。加工赤肉でなければ、非加工赤肉であれば大丈夫という訳ではなく、赤肉はいずれも冠動脈疾患リスク上昇と関連があるとのことです。焼肉は好きなんですが残念です。論文では赤肉の代わりに植物性のたんぱく源、ナッツ、大豆製品を推奨しています。

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