2020/12/14、2型糖尿病の診断の年齢と死亡率、心血管合併症との関係について調べた研究「Impact of age at type 2 diabetes mellitus diagnosis on mortality and vascular complications: systematic review and meta-analyses」の要旨をまとめました。

2020/12/14、2型糖尿病の診断の年齢と死亡率、心血管合併症との関係について調べた研究「Impact of age at type 2 diabetes mellitus diagnosis on mortality and vascular complications: systematic review and meta-analyses」の要旨をまとめました。2型糖尿病の診断年齢とその後の合併症との関係については十分にわかっていませんでした。2型糖尿病の診断の年齢と死亡リスク、大血管合併症、微小血管合併症との関係を要約するために、2018年までMEDLINE、EBM(Evidence Based Medicine)データベースから文献を収集しました。成人の2型糖尿病において、糖尿病の診断の年齢が大血管、微小血管性の糖尿病合併症へ影響を与えるかを調べた観察研究を対象としました。2名の独立した評価者がデータ、研究を評価しました。データが完全な形式で報告されていない場合、執筆者からデータを取得、糖尿病の診断年齢が1年増加と、調整後オッズ比、95%信頼区間、関心転帰と現在の年齢にて調整しました。研究プロトコルは「PROSPERO」(International Prospective Register of Systematic Reviews)に記載しました。結果、26の観察研究、1325493例、30カ国を収集しました。逆分散加重による無作為影響メタ解析を実施、オッズ比を計算しました。糖尿病の診断年齢は全死亡、大血管、微小血管障害と負の相関関係(all p < 0.001)を認めました。現在の年齢調整後、糖尿病の診断年齢が1歳上昇するごとに、全死亡4%、大血管疾患3%、微小血管疾患5%のリスク低下と関連を認めました。複合転帰、個別の内訳によっても影響は一貫(all p < 0.001)していました。糖尿病の診断年齢が、より高齢と比べてより若年であることは、死亡率、血管疾患の高いリスクと関連を認めました。2型糖尿病の発症を遅らせるための早期、連続的な介入、既に糖尿病の診断されている場合には血糖値、心血管リスクを改善することは、死亡率、合併症を減少するために重要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33313987
糖尿病の発症年齢が若ければ若いほど糖尿病合併症リスクが高いとの報告です。一般的に、糖尿病の罹患歴が長いほど合併症に注意という事実を裏付けるメタ解析です。

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