2020/10/30、2型糖尿病における低炭水化物、超低炭水化物食の有効性、安全性について調べた研究「Efficacy and safety of low and very low carbohydrate diets for type 2 diabetes remission: systematic review and meta-analysis of published and unpublished randomized trial data」の要旨をまとめました。

2020/10/30、2型糖尿病における低炭水化物、超低炭水化物食の有効性、安全性について調べた研究「Efficacy and safety of low and very low carbohydrate diets for type 2 diabetes remission: systematic review and meta-analysis of published and unpublished randomized trial data」の要旨をまとめました。2型糖尿病における低炭水化物食(low carbohydrate diets: LCDs)、超低炭水化物食(very low carbohydrate diets: VLCDs)の有効性、安全性を調べるために、系統レビュー、メタ解析を実施しました。2020年まで、CENTRAL、Medline、Embase、CINAHL、CAB、灰色文献を対象、研究選択としては2型糖尿病、1日130g未満、1日2000kcalのうち26%未満の低炭水化物食、10%未満の超低炭水化物食、12週間以上の無作為化臨床試験を組み込みました。主要評価項目は糖尿病の寛解、HbA1c 6.5%未満または空腹時血糖7.0mmol/L未満、糖尿病薬の使用の有無、体重減少、HbA1c、空腹時血糖、有害事象としました。副次評価項目は健康関連生活の質、生化学的検査データとしました。全記事、転帰は独立してスクリーニング、6ヶ月、12ヶ月追跡、エビデンスの正確性のGRADE評価、バイアスリスクを評価しました。無作為化影響メタ解析にて推定リスク、95%信頼区間を算出しました。転帰は臨床的意義決定のための事前設定最小有意差、異質性は事前設定7項目のサブグループ、バイアスリスクを評価しました。全サブグループ影響は相互作用の統計学的有意検定、5項目の信頼性のチェックリストを実施しました。結果、引用14759、23試験、参加者1357例、転帰のうち40.6%は低バイアスリスクと判断しました。6ヶ月後、対照食と比べて、低炭水化物食はHbA1c 6.5%未満の高い糖尿病寛解率を達成(76/133 (57%) v 41/131 (31%); risk difference 0.32, 95% confidence interval 0.17 to 0.47; 8 studies, n=264, I2=58%)を認めました。逆に、寛解を薬物療法なしにHbA1c 6.5%未満と定義した場合、有意差なしの影響サイズになりました。サブグループ解析では、インスリン使用例を対象とした研究では低炭水化物食は顕著に低下しました。12ヶ月後、寛解データは希薄で、糖尿病リスクがわずかに上昇、小さい影響を認めました。6ヶ月後の臨床的改善点は、体重減少、中性脂肪、インスリン感受性に認めましたが、12ヶ月後には減少しました。信頼可能と評価されたサブグループバイアスにて、超低炭水化物食は6ヶ月後の体重減少において、低炭水化物食と比べて有効でした。しかしながら、影響は食事のアドヒアランスによって説明されました。超低炭水化物食のアドヒアランスの高い例においては、超低炭水化物食のアドヒアランスが低い例と比べて、臨床的重要性のある体重減少を認めました。6ヶ月後の生活の質の有意差はなし、臨床的重要性はありましたが、統計学的有意ではなく、12ヶ月後、生活の質、LDLコレステロールの悪化を認めました。一方で、6ヶ月後、12ヶ月後、有害事象、血中脂質において、両群間に統計学的、臨床的重要性のある差を認めませんでした。正確性バイアス低度から中程度のエビデンスに基づくと、低炭水化物食はアドヒアランスの高い例において6ヶ月後、有害事象なしに糖尿病寛解となる可能性があります。糖尿病の寛解、有効性、安全性、長期の低炭水化物食の食事のマンドクぞについては継続的な議論が必要で、限界があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.bmj.com/content/372/bmj.m4743
低炭水化物食は糖尿病の寛解に有効であるが、継続可能かどうか、アドヒアランスの問題であるという報告です。低炭水化物にした分のカロリーはたんぱく質か脂質で摂る必要がありますが、塩分過剰、脂質過剰にならないように注意が必要です。具体的には、魚、野菜、肉は食べるなら鶏、大豆製品等をいかに活用可能かどうかがキーです。

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