2021/1/1、回転式粥腫切除術を必要とする重度石灰化病変の石灰化結節の臨床的影響について調べた研究「Clinical impact of calcified nodule in patients with heavily calcified lesions requiring rotational atherectomy」の要旨をまとめました。

2021/1/1、回転式粥腫切除術を必要とする重度石灰化病変の石灰化結節の臨床的影響について調べた研究「Clinical impact of calcified nodule in patients with heavily calcified lesions requiring rotational atherectomy」の要旨をまとめました。回転式粥腫切除術(rotational atherectomy: RA)を必要とする重度石灰化病変において、石灰化結節(calcified nodule)の発生率、臨床的影響を評価しました。重度石灰化病変において、石灰化結節が臨床転帰に有害が影響を及ぼすかどうかは十分にわかっていませんでした。2011年から2014年、回転式粥腫切除術、第2世代薬剤溶出性ステント留置後264例、後ろ向きに登録しました。石灰化結節は血管内超音波で評価、血管側面のカルシウムで突起状の形状のものと定義しました。主要評価項目は、心臓死亡、臨床的に症状を来す標的病変血行再建、確定ステント血栓症と定義、主要有害心事象の5年間累積発生率としました。結果、重度石灰化病変のうち、128例(48.5%)に石灰化結節を認めました。主要有害心事象の5年累積発生率は石灰化結節あり群は石灰化結節なし群と比べて、有意に高値で、主に血行再建とステント血栓症の発生率(35.4% vs. 18.8%, p < .001; 23.2% vs. 7.9%, p < .001; 7.0% vs. 0.93%, p = .009, respectively)によるものでした。主要有害心事象の5年累積発生率の独立した危険因子として、血液透析(hazard ratio [HR] = 3.39, 95% confidence intervals [CI]: 2.00-5.73, p < .001)、石灰化結節(HR = 2.53, 95% CI: 1.49-4.27, p < .001)、 入口部病変(HR = 3.02, 95% CI: 1.58-5.78, p = .001)、左室駆出率40%以下(HR = 2.17, 95% CI: 1.27-3.70, p = .005)、右冠動脈病変(HR = 1.82, 95% CI: 1.07-3.11, p = .03)を認めました。石灰化結節は重度石灰化病変の48.5%に認め、回転式粥腫切除術、第2世代薬剤溶出性ステント留置後の長期臨床予後不良に関連を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32259392
ロータブレーターが必要な高度石灰化病変で、石灰化結節を認める場合は血行再建、ステント血栓症のリスク因子であったという報告です。冠動脈石灰化が強い例では冠動脈評価のフォローの頻度を適宜短くすることがあるのはこのためです。

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