2021/1/28、心房細動の初回治療としてクライオバルーンアブレーションについて調べた研究「Cryoballoon Ablation as Initial Therapy for Atrial Fibrillation」の要旨をまとめました。

2021/1/28、心房細動の初回治療としてクライオバルーンアブレーションについて調べた研究「Cryoballoon Ablation as Initial Therapy for Atrial Fibrillation」の要旨をまとめました。症候性発作性心房細動、薬物療法に反応しない例に対し、洞調律維持に関してカテーテルアブレーションは抗不整脈治療と比べて有効性が高いことがわかっています。しかしながら、初回治療としてクライオバルーンアブレーションの安全性、有効性は十分に確率していませんでした。18歳から80歳、発作性心房細動、過去にリズムコントロール治療を受けたことがない例、クラスIまたはIIIの抗不整脈薬による治療を受ける群とクライオバルーンによる肺静脈隔離を受ける群と無作為化、多施設試験を実施しました。不整脈モニタリングは初回、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後に12誘導心電図、3ヶ月後から12ヶ月、毎週または症状出現時のテレフォンモニタリング、6ヶ月後、12ヶ月後の24時間自由行動下モニタリングを実施しました。有効性の主要評価項目は治療成功、カプランマイヤー解析評価、手技による初回治療失敗、手技後または薬物投与調整後、90日間の心房性不整脈の再発のない期間と定義しました。有効性の主要評価項目はアブレーション群のみで評価、手技関連、クライオバルーンシステム関連重大有害事象の複合としました。結果、参加203例、アブレーション群104例、薬物療法群99例でした。アブレーション群において、手技の初回成功は97%に達しました。12ヶ月の治療成功のカプランマイヤー推定は、アブレーション群74.6%(95% confidence interval [CI], 65.0 to 82.0)、薬物療法群45.0%(95% CI, 34.6 to 54.7)、有意差(P<0.001 by log-rank test)を認めました。安全性の主要評価項目は、アブレーション群2例(Kaplan–Meier estimate of the percentage of patients with an event within 12 months, 1.9%; 95% CI, 0.5 to 7.5)発生しました。発作性心房細動に対するクライオバルーンアブレーションは心房細動の再発予防のための初回治療として薬物療法と比べて優れていました。重大手技関連有害事象は稀でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2029554
発作性心房細動に対する初回治療は何がよいか?「STOP AF First」試験の結果です。アブレーション群で有意な心房細動再発減少を認めました。アブレーションファーストになっていくでしょう。

PAGETOP