2021/1/13、2型糖尿病に対して、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体刺激薬の系統レビュー、メタ解析「Sodium-glucose cotransporter protein-2 (SGLT-2) inhibitors and glucagon-like peptide-1 (GLP-1) receptor agonists for type 2 diabetes: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials」の要旨をまとめました。

2021/1/13、2型糖尿病に対して、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体刺激薬の系統レビュー、メタ解析「Sodium-glucose cotransporter protein-2 (SGLT-2) inhibitors and glucagon-like peptide-1 (GLP-1) receptor agonists for type 2 diabetes: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials」の要旨をまとめました。2型糖尿病におけるSGLT2阻害薬(sodium-glucose cotransporter-2 inhibitors)、GLP-1受容体刺激薬(glucagon-like peptide-1 receptor agonists)の心血管、腎リスクとの関係を評価するために、ネットワークメタ解析を実施しました。2020/8/11まで、Medline、Embase、Cochrane CENTRALを対象に、選択組み込み基準は成人2型糖尿病を対象、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体刺激薬とプラセボ、標準治療、他の血糖降下薬と比較、24週間以上追跡、無作為化対照試験としました。試験は独立した2名の評価者によって組み込み、抽出、バイアスリスクを評価しました。頻度無作為影響ネットワークメタ解析を実施、「GRADE」(grading of recommendations assessment, development, and evaluation)にてエビデンスの信頼性を評価しました。5年間治療した場合の1000人年あたりの絶対治療影響を、超低リスク(心血管リスクなし)、低リスク(心血管リスク因子3以上)、中程度リスク(心血管疾患あり)、高リスク(慢性腎臓病あり)、超高リスク(心血管疾患ありかつ慢性腎臓病あり)に層別化しました。ガイドラインパネル、系統レビューを実施しました。結果、764試験、421346例が組み込まれました。全結果からは、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体刺激薬を既存の糖尿病治療に追加することが好ましい結果でした。両クラスの薬剤は、全死亡、心血管死亡、非致死的心筋梗塞、腎不全を高い信頼性で減少しました。2つの薬剤の注目すべき差として、SGLT2阻害薬はGLP-1受容体刺激薬と比べて、死亡率、心不全入院を減少、GLP-1受容体刺激薬はSGLT2阻害薬と比べて非致死的心筋梗塞、脳卒中を減少しました。SGLT2阻害薬は尿路感染症(高い信頼性)の増加、一方で、GLP-1受容体刺激薬は重症消化管事象(低い信頼性)の増加と関連していました。低い信頼性のエビデンスにて、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体刺激薬は体重減少の可能性が示唆されました。SGLT2阻害薬、GLP-1受容体刺激薬にて、下肢切断、失明、眼疾患、神経痛、健康関連生活の質への影響はほとんどまたは全くありませんでした。薬剤の絶対ベネフィットは、心血管、腎転帰において、低リスク群から超高リスク群に渡って、全転帰において一貫(例えば、SGLT2阻害薬は5年間、1000人年あたり5から48の死亡減少に影響、相互意思決定支援ツール: https://magicevidence.org/match-it/200820dist/#!/ )していました。2型糖尿病において、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体刺激薬は注目すべき便益性、有害性の差を持って、心血管、腎転帰を減少しました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.bmj.com/content/372/bmj.m4573
SGLT2阻害薬、GLP-1受容体刺激薬のメタ解析です。SGLT2阻害薬は死亡率、心不全入院を減少、尿路感染症に注意、GLP-1受容体刺激薬は心筋梗塞、脳卒中を減少、消化管症状に注意という違いがありました。どちらも良い薬です。実臨床では、薬価、注射薬かどうかも重要なポイントです。日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/202102/569006.html

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