閉塞性睡眠時無呼吸・低呼吸、男性、持続陽圧呼吸療法の有無、長期心血管転帰について調べた研究「Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without treatment with continuous positive airway pressure: an observational study」をまとめました。

閉塞性睡眠時無呼吸・低呼吸、男性、持続陽圧呼吸療法の有無、長期心血管転帰について調べた研究「Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without treatment with continuous positive airway pressure: an observational study」をまとめました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15781100
心血管危険因子としての閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸の影響、持続陽圧呼吸療法の潜在的な保護的作用を調べるために、一般集団における単純性いびき、無治療の閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸、CPAP治療中、健康男性、致死的、非致死的心血管事象の発生率を比較した観察研究を実施しました。睡眠クリニックから、閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸男性、単純性いびき、無治療の重症閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸、集団サンプルから年齢、BMIを一致させた健康男性を組み込みました。疾病重症度は終夜ポリソムノグラフィー検査によって、睡眠中1時間あたりの無呼吸、低呼吸の平均回数、無呼吸低呼吸指数を測定しました。参加者は年1回以上、平均10.1年間(SD 1.6)追跡、CPAPコンプライアンスは内蔵メーターによってチェックしました。主要評価項目は致死的心血管事象(心筋梗塞、脳卒中による死亡)、非致死的心血管事象(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈バイパス術、経皮的冠動脈形成術)としました。健康男性264例、単純性いびき377例、無治療の軽度から中程度の閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸403例、無治療の重症235例、CPAP治療中372例を解析しました。無治療の軽度から中程度例(0.55, p=0.02 and 0.89, p<0.0001)、単純性いびき(0.34, p=0.0006 and 0.58, p<0.0001)、CPAP治療中例(0.35, p=0.0008 and 0.64, p<0.0001)、健康男性(0.3, p=0.0012 and 0.45, p<0.0001)と比べて、無治療の重症例は致死的心血管事象(1.06 per 100 person-years)、非致死的心血管事象(2.13 per 100 person-years)の高い発生率を認めました。多変量解、潜在的な交絡因子調整後、無治療の重症睡眠時無呼吸低呼吸は、健康参加者と比べて致死的(0.3, p=0.0012 and 0.45, p<0.0001)、非致死的(3.17, 1.12-7.51)心血管事象リスクの有意な上昇と関連を認めました。男性、重症閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸は致死的、非致死的心血管事象リスクの有意な上昇でした。CPAP治療はリスクを減少しました。

https://medical.teijin-pharma.co.jp/lifestyledisease/cpap.html
帝人のサイトに論文の結果をグラフ化したものがありました。重症閉塞性睡眠時無呼吸症候群は治療しなかった場合、12年間で15%が死亡、30%が心筋梗塞や脳卒中を起こすというデータです。

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