駆出率の低下した心不全、薬物治療について調べた系統レビュー、ネットワークメタ解析「A Systematic Review and Network Meta-Analysis of Pharmacological Treatment of Heart Failure With Reduced Ejection Fraction」の結果をまとめました。

駆出率の低下した心不全、薬物治療について調べた系統レビュー、ネットワークメタ解析「A Systematic Review and Network Meta-Analysis of Pharmacological Treatment of Heart Failure With Reduced Ejection Fraction」の結果をまとめました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34895860

心不全治療薬は数多くありますが、全死亡低下に最も寄与しているのはどの組み合わせか、解析をしました。結果、
「ARNI+BB+MRA+SGLT2」
の4剤の組み合わせがハザード比39%(全死亡リスク61%低下)と最も有効であることがわかりました。これらの心不全治療薬4剤の組み合わせを「fantastic four」と呼び、具体的な薬剤としては以下の通りです。
・ARNI:アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬「エンレスト」
・BB:β遮断薬「アーチスト」「メインテート」、等
・MRA:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「アルダクトン」「セララ」「ミネブロ」
・SGLT2:SGLT2阻害薬「ジャディアンス」「フォシーガ」、等
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33447845
β遮断薬は循環器内科医にとって必須薬という認識が広く、SGLT2阻害薬も近年の心保護作用の豊富なエビデンスから投与されていることが多い一方で、ARNI、MRAは投与されていたり投与されていなかったりという印象です。実臨床では4剤フルに投与しなくても心不全はコントロール可能になるケースも多いですが、「ARNI+BB+MRA+SGLT2」の「fantastic four」は意識して積極的に使っていきたいものです。

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