2018/5/31(木)は「世界禁煙デー」、5/31(木)から6/6(水)まで「禁煙週間」です。
世界保健機関(World Health Organization: WHO)は、1989年から毎年5/31を「世界禁煙デー(World No-Tobacco Day)」と定め、「Tobacco Breaks Hearts – Choose health, not tobacco」のスローガンのもと、禁煙の推進、啓発に関わる様々な取り組みを行っています。日本では厚生労働省が1992年から毎年5/31から6/6の一週間を「禁煙週間」とし、タバコ対策を行っています。今年2018年は、「望まない受動喫煙をなくそう」と健康増進法改正法案の提出、2020年のオリンピックを踏まえて「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」をテーマとし、例年にも増して受動喫煙防止対策の強化が進んでいます。詳しくは厚生労働省または世界禁煙デーのホームページをご覧ください。
→http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202210.html
→http://www.smartlife.go.jp/fctc
禁煙対策の最近の変化として、喫煙者本人に対して禁煙を目指した介入というよりも、他の人への健康被害がないように受動喫煙対策にシフトして来ているのを感じます。要は言葉は悪いですが、喫煙者に対してどれだけ禁煙を奨めても辞める気がないのはわかったから、辞める気がないのであればもうこれ以上うるさく言わないから、他の人に迷惑を掛けるのだけは辞めてくれ、と、「他人に迷惑を掛けない」という方向性に重点が移行して来ているのだと思います。受動喫煙対策とは要するに他人に迷惑を掛けないでちょうだい、ということです。今後、日本の医療費や介護費などの社会保障費には限界が来ることは確実ですので、喫煙関連疾患に対しての医療費等の保険給付の範囲から見直していく、喫煙者や喫煙量に応じて医療費自己負担割合を見直していく、喫煙者の医療機関受診に対して追加で上乗せ負担を求めていく、など、医療財政が非常に厳しい日本においては、あながち非現実的なものではないような気もしています。
当院としましても、今年「お茶の水循環器禁煙宣言2018」を作りました。待合室における受動喫煙対策として、敷地内全面禁煙は当然のこと、喫煙後の呼気煙による間接的な受動喫煙も含めて、より広い範囲で受動喫煙対策を掲げています。「他人に迷惑を掛けない」ことが、医療に限ったことではなく、社会の基本ではないでしょうか。心筋梗塞や狭心症など命に関わる場合であれば尚更のことです。当院は循環器専門の医療機関なので、狭心症や心筋梗塞後など、循環器疾患のハイリスク患者さんが多く通院しています。通院中の患者さんを受動喫煙の被害から守るために、間接的な呼気煙を含めて有害ガスを院内に持ち込む行為を強く禁止することは循環器専門の医療機関として徹底すべきであると考えています。詳しくは「お茶の水循環器禁煙宣言2018」のページをご覧ください。
お茶の水循環器禁煙宣言2018→https://ochanomizunaika.com/nomoresmoking
当院の診療指針にご理解いただけない場合は他の医療機関をご紹介していますが、予めご了承ください。禁煙外来の相談は受付または主治医までご相談ください。
医療法人社団お茶会お茶の水循環器内科院長の五十嵐健祐と申します。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、医療法人化に伴い、循環器専門の医療機関として生まれ変わりました。我々の使命は「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」です。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、防ぐためには血管を守ることが重要です。血管を守るためには、具体的に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続が大切です。一方で、現代人の生活スタイルとして、平日の日中に仕事や用事があることは普通のことであり、仕事をしながらの治療継続には大きな負担が伴います。我々はこのミスマッチを解決するために、夜間も土日も診療をオープンにし、心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を行っています。しかしながら残念なことに、土日や夜間に診療をしていると、我々の理念とは無関係に、ただ夜も空いているから、ただ土日もやっているから、ただ便利だからという理由だけで患者さんが殺到し過ぎてしまい、2018年冬、一時期は診療体制の維持が困難な事態に陥ってしまいました。
2018年春、ゼロベースで、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもとに全ての診療体制の見直しを行いました。結果、循環器専門という選択と集中の意思決定に至り、2018年春に医療法人化に伴い、「お茶の水循環器内科」として生まれ変わりました。今後とも夜間も土日も診療をオープンにし、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を実現していくことで、心筋梗塞と脳卒中を防ぎ、「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」、これが我々の使命です。詳しくは上記ページに医療法人社団お茶会のミッションをまとめましたのでご覧ください。新しく生まれ変わったお茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
2018年4月1日、医療法人社団お茶会理事長五十嵐健祐
【具体的な診療範囲】当院は循環器専門の医療機関です。循環器とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、抗血小板療法、抗凝固療法、心房細動を始めとする不整脈、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器の診療範囲を具体的にまとめました。
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・不整脈(上室期外収縮、心室期外収縮、房室ブロック、心房細動、他)
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理、二次予防、再発予防
・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器です。脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、脳卒中は脳神経内科や脳神経外科が診ることも多いですが、どちらも血管の故障の予防という意味では一次予防、二次予防としてやるべきことは循環器と共通です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も循環器病のリスク因子という点で循環器の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器の仕事です。
【当院で対応していないもの】(2018/4/1更新)
2018/4/1以降、当院で対応していないものを具体的にまとめました。定期的に見直しを行っていますので、ご来院の前には必ずご確認ください。ご来院いただいても受付にて適切な診療科のご紹介の対応となることを予めご了承ください。下記に具体的にまとめましたので、診療科探しの際にご参考ください。
東京都の医療機関探しは、東京都医療機関案内ひまわり(☎ 03-5272-0303)をご活用ください。幸い、首都圏には夜間や土日も診療しているクリニックは当院以外にも最近少しづつ増えて来ています。随時紹介状の発行も行っていますのでお気軽にご相談ください。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。