「成功確率98%と言われる「ピロリ菌の除菌」に失敗して面倒なことになった」→https://rocketnews24.com/2019/01/22/1165427
ロケットニュースのピロリ菌除菌に関する記事に執筆協力しました。今回のテーマはピロリ菌とピロリ菌の除菌療法です。ピロリ菌は胃炎や胃癌の原因菌です。昔は胃癌の原因がよくわかっていなかったので、胃癌検診等で早期発見するしかなかったのですが、今は日本人の胃癌の90%以上がピロリ菌感染が原因であることがわかっており、ピロリ菌は除菌療法によって除菌が可能です。具体的には、まずはピロリ菌が感染しているかどうかを調べる検査、感染診断を行います。感染診断には、内視鏡検査、呼気検査、採血検査、便検査、尿検査など様々な手段があります。後述する除菌判定は呼気検査でなくてはならないのですが、感染診断は呼気検査でなくても何でも良いです。ピロリ菌がいるとわかったら原則そのまま除菌療法へと進みます。除菌療法にはいくつかの除菌セットがあり、7日間、飲み薬による治療です。処方箋の指示通り内服します。2015年に発売されたタケキャブという薬の登場により除菌成功率は向上し、日本ヘリコバクター学会「H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版」によれば、除菌成功率は、タケキャブ一次除菌92.6%、タケキャブ二次除菌98.0%と非常に好成績で除菌が可能です。和才さんの場合は一次除菌でうまく除菌出来ず、さらに運の悪いことに二次除菌でもうまく除菌出来ずに、現在三次除菌を行っているところです。ほとんどの場合は一次除菌か二次除菌かのうちで除菌成功となる場合は多いですが、一次除菌、二次除菌でうまく除菌出来なかった場合でもぜひもう一度チャレンジをして欲しいです。今回伝えたかったことは、ピロリ菌の検査も治療も、簡単に出来るということです。当院ではピロリ菌の検査は必要に応じて内視鏡検査または採血検査にて行っています。保険診療のルール上、内視鏡検査をしていることが保険適応の条件となっており、内視鏡検査をしていないと保険適応とならないことにご注意ください。ピロリ菌について詳しくは下記ページをご覧ください。
ピロリ菌→https://ochanai.com/helicobacterpylori
ちなみに、癌の中には原因がわからないものも多いのですが、ピロリ菌感染による胃癌、肝炎ウイルス感染による肝臓癌、ヒトパピローマウイルス感染による子宮頸癌、喫煙による肺癌など、癌の中には原因が特定出来ているものも少なくありません。原因が特定出来ていない癌は早期発見するしか方法がないのですが、原因が特定出来ている病気は一次予防が第一です。また、癌と違い、多くの心筋梗塞や脳卒中は、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動等、危険因子をコントロールすることで一次予防が可能です。お茶の水循環器内科は「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」を目指して、世の中から救えるはずの病気を少しでも減らしていきたいという想いで、日々診療をしています。また何かまたロケットニュースの記事が出ましたらお知らせします。
【重要】ご来院前にご確認ください。
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。対象は狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、慢性心不全等の循環器疾患です。一般的な内科診療は行っていませんので予めご了承ください。都内の医療機関探しは東京都医療機関案内サービスひまわりをご参考ください。
東京都医療機関案内サービスひまわり:03-5272-0303
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【お茶の水循環器内科】
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関になりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動等の心血管疾患の危険因子をコントロールすることで十分に予防可能です。心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続のために、お茶の水循環器内科は夜間も土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、これが当院のミッションです。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐
【具体的な診療範囲】
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、慢性心不全等の循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理、抗凝固療法・心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、高血圧性心肥大、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療の適応の評価、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病、腎硬化症の管理、糖尿病性腎症の管理
・その他、健診後の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、一度なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。お気軽に主治医までご相談ください。