2020/1/27(月)、脳梗塞に対する血管内治療の急性期における血圧管理と神経予後の関係を調べた研究「Blood Pressure Thresholds and Neurologic Outcomes After Endovascular Therapy for Acute Ischemic Stroke An Analysis of Individual Patient Data From 3 Randomized Clinical Trials」の結果をまとめました。急性期虚血性脳卒中(acute ischemic stroke: AIS)に対する血管内治療(endovascular therapy: EVT)における至適な血圧管理の目標値を明らかにするために、2014年から2017年、前方循環系の脳梗塞急性期で血管内治療の適応となった365例を対象に、90日間追跡しました。結果、NHISS(National Institutes of Health Stroke Scale)スコアは平均17点でした。90日後のmRS(modified Rankin Scale)スコアの上昇と関連していたのは、平均動脈血圧(mean arterial blood pressure: MABP) 70未満が10分間以上累積していること(調整後OR 1.51 95%CI 1.02-2.22)、平均動脈血圧70未満であることが20分間以上継続していること(調整後OR 2.30 95%CI 1.11-4.75)で、害必要数(number needed to harm: NNH)はそれぞれ10、4でした。また、平均動脈血圧90以上が45分以上累積していること(調整後OR 1.49 95%CI 1.11-2.02)、平均動脈血圧90以上が115分以上継続していること(調整後OR 1.89 95%CI, 1.01-3.54)も90日後のmRSスコアの上昇と関連しており、害必要数はそれぞれ10、6でした。血管内治療を行う場合に、平均動脈血圧70未満が10分以上続くこと、平均動脈血圧90以上が45分以上続くことは、ともに有害であることが明らかになりました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/article-abstract/2758832