2020/2/21(金)、重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術後のレニンアンジオテンシン系阻害薬の臨床効果について調べた研究「Impact of renin–angiotensin system inhibitors on clinical outcomes in patients with severe aortic stenosis undergoing transcatheter aortic valve replacement: an analysis of from the PARTNER 2 trial and registries」の結果をまとめました。左室圧負荷はレニンアンジオテンシン系の活性化や心筋線維化に関係しています。症候性の重症大動脈弁狭窄症で経カテーテル大動脈弁置換術(transcatheter aortic valve replacement: TAVR)を受けた「PARTNER 2」試験の参加者3979例を対象に、ACE阻害薬、ARBの与える影響を調べるために、ACE阻害薬/ARB投与群1736例(43.6%)、非投与群2243例(56.4%)を2年間追跡しました。結果、ACE阻害薬/ARB投与群は、非投与群に比べて、全死亡(18.6% vs 27.5% P<0.0001)、心血管死(12.3% vs 17.9% P<0.0001)、非心血管死(7.2% vs 11.7% P<0.0001)は有意に減少していました。ACE阻害薬及びARBの投与は、多変数調整後も独立した関係として残りました。「PARTNER 2」試験のフォローアップの結果、重症症候性大動脈弁狭窄症において、ACE阻害薬、ARBの投与は全死亡、心血管死のリスクを減少させることがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://academic.oup.com/eurheartj/article-abstract/41/8/943/5621355
血圧コントロールの結果、降圧薬全般の効果なのか、ACE阻害薬、ARB特有の効果なのか興味深いですが、大動脈弁置換術後には意識してレニンアンジオテンシン系阻害薬を使う理由になりそうです。詳しくは主治医までご相談ください。
2020/2/21(金)、重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術後のレニンアンジオテンシン系阻害薬の臨床効果について調べた研究「Impact of renin–angiotensin system inhibitors on clinical outcomes in patients with severe aortic stenosis undergoing transcatheter aortic valve replacement: an analysis of from the PARTNER 2 trial and registries」の結果をまとめました。