2020/2/10(月)、難治性心室細動に対する二重連続体外式除細動の効果を調べた研究「Double sequential external defibrillation for refractory ventricular fibrillation: The DOSE VF pilot randomized controlled trial」の結果をまとめました。難治性心室細動(ventricular fibrillation: VF)に対して、ベクトル変化除細動(vector change defibrillation)、二重連続体外式除細動(double sequential external defibrillation: DSED)、通常の除細動(standard defibrillation)の有効性と安全性を検証、心室細動の停止と自己心拍再開(return of spontaneous circulation: ROSC)について無作為化試験を行いました。「DOSE-VF」パイロット試験では、カナダの救急医療サービスの4つの施設で、成人の院外心停止のうち心室細動で少なくとも3回以上の除細動を受けた例を対象に、通常の除細動、ベクトル変化除細動、二重連続体外式除細動を無作為化、6ヶ月間で別の除細動戦略にクロスオーバーしました。結果、152例のうち89.5%が除細動を受けました。93.1%はベクトル変化除細動または二重連続体外式除細動を受けましたが、安全性の懸念点の報告はありませんでした。心室細動の停止は、通常の除細動66.6%、ベクトル変化除細動82.0%、二重連続体外式除細動76.3%でした。自己心拍の再開は、通常の除細動25.0%、ベクトル変化除細動39.3%、二重連続体外式除細動40.0%でした。ベクトル変化除細動、二重連続体外式除細動を用いたプロトコルは有効で安全、心房細動停止率、自己心拍再開率は従来型の除細動と比べて向上を認めました。多施設でさらなる検証が必要であると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
→https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0300957220300745
従来型除細動よりもベクトル変化除細動、二重連続体外式除細動という除細動のほうが有効率が高かったという研究結果です。ベクトル変化除細動とは、前側左右のパッドを前後に貼り替えて行う除細動、二重連続体外式除細動とは通常の胸部左右のパッドに加えもう一組のパッドを貼付け、連続的にショックを与える手法だそうです。
2020/2/10(月)、難治性心室細動に対する二重連続体外式除細動の効果を調べた研究「Double sequential external defibrillation for refractory ventricular fibrillation: The DOSE VF pilot randomized controlled trial」の結果をまとめました。