2020/5/11、無料のオンライン症状チェックアプリケーションの診断とトリアージアドバイスの質について調べた研究「The quality of diagnosis and triage advice provided by free online symptom checkers and apps in Australia」の結果をまとめました。

2020/5/11、無料のオンライン症状チェックアプリケーションの診断とトリアージの助言の質について調べた研究「The quality of diagnosis and triage advice provided by free online symptom checkers and apps in Australia」の結果をまとめました。オーストラリアで使われている無料のウェブサイト、モバイルアプリケーションの症状チェッカー(symptom checkers)による診断とトリアージアドバイスの質について調べるために、36の症状チェッカーによる診断、トリアージアドバイス、48の状況、1170の診断テスト、688のトリアージテストについて調べました。診断アドバイスはトップ、トップ3、トップ10の診断結果、トリアージアドバイスは、推奨されたトリアージカテゴリを収集しました。症状チェッカーの27の診断を解析した結果、トップ回答の正当率は1170のうち421で、36%(95% CI 31–42%)で、トップ3回答のうち正答率は606で、52%(95%CI 47–59%)、トップ10回答のうち正答率は58%(95%CI 53–65%)でした。人工知能アルゴリズムを用いた症状チェッカー診断の正答率は、トップ回答46%(95%CI 40–57%)、その他の症状チェッカー32%(95%CI 26–38%)でした。最初の回答の正答率は、12%から61%でした。19のトリアージ症状チェッカーの正答率は688のうち338で、49%(95%CI 44–54%)でした。適切なトリアージアドバイスの正答率は、救急ケア63%(95%CI 52–71%)、応急処置56%(95%CI 52–75%)で、非応急処置30%(95%CI 11–39%)、セルフケア40%(95%CI 26–49%)でした。症状チェッカーの診断アドバイスの質は一定ではなく、トリアージアドバイスは全体としてリスクを避けようとする(risk-averse)傾向にあり、しばしば適切なケアよりも救急外来受診を推奨していました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32391611
無料の症状チェックサイトやモバイルアプリケーションの精度について、正答率は12%から61%とのことで、あまり精度は期待出来ないのではないかというオーストラリアからの報告です。また、救急度トリアージの判定アドバイスも、リスクを避けようとするあまりか、オーバートリアージの傾向があるという報告です。人間とアプリケーションとどちらが精度が良いか対立構造ではなく、症状チェックの介在によって、予後は改善したか、救急外来の負担は軽減されたかという視点で考えていく必要があると感じました。


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