2020/7/21、糖尿病予備群の血糖コントロール対してシナモンの与える影響を調べた研究「Influence of cinnamon on glycemic control in subjects with prediabetes: a randomized controlled trial」の要旨をまとめました。

2020/7/21、糖尿病予備群の血糖コントロール対してシナモンの与える影響を調べた研究「Influence of cinnamon on glycemic control in subjects with prediabetes: a randomized controlled trial」の要旨をまとめました。糖尿病予備群から2型糖尿病への進行を防ぐ、安全で実用的で費用対効果の良いアプローチを特定することは臨床的に重要で、潜在的なニーズがあります。シナモンの血糖降下作用が糖尿病予備群に対して有効であるかどうかは十分にわかっていませんでした。糖尿病予備群の血糖平衡に対してシナモンの有効性を調べるために、二重盲検プラセボ対照臨床試験では、糖尿病予備群、シナモン500mg1日3回群、プラセボ群、それぞれ27例、無作為に割り振りました。2つの大学病院にて12週間追跡しました。主要転帰は開始時から12週間後時点における空腹時血糖の2群間の差としました。副次転帰は傾向ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値の変化、血糖の曲線下面積の変化としました。結果、12週間後の空腹時血糖はシナモン群では安定しており、2群間の差は5mg/dL(P<0.05)でした。開始時と比較して、シナモン群では経口ブドウ糖負荷試験の曲線下面積(P<0.001)、2時間値(P<0.05)は有意に減少を認めました。いずれの群においても深刻な有害事象は認められませんでした。糖尿病予備群において、12週間のシナモンの摂取は、良好な安全性のもと、空腹時血糖、ブドウ糖耐性を改善しました。シナモンの効果、糖尿病予備群から2型糖尿病への進行を抑制するかどうかは、さらなる長期、大規模な研究が必要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://academic.oup.com/jes/advance-article/doi/10.1210/jendso/bvaa094/5870882
シナモンが傾向ブドウ糖負荷試験の血糖コントロールを改善する可能性があるというアメリカのジョスリン糖尿病センターからの報告です。ちなみに、メトホルミンはガレガという豆類の植物から発見されていますし、SGLTS阻害薬はリンゴの皮等から発見されています。一般に食物繊維の豊富な野菜等は血糖の吸収を穏やかにするため食後高血糖予防には良いでしょう。


PAGETOP