2020/7/7、非肥満の一般集団において体重増加とその後の心血管イベントとの関係を調べた日本の研究「Association of body weight gain with subsequent cardiovascular event in non-obese general population without overt cardiovascular disease」の要旨をまとめました。成人期の体重増加は肥満を引き起こし、その後の心血管疾患と関連しています。しかしながら、非肥満において、どの程度の体重増加が病理学的に有意なのかは十分にわかっていませんでした。全国疫学データベースを用いて、20歳以上、非肥満で心血管疾患の既往歴のない1558774例、平均年齢44.7歳、男性853391例(54.7%)、体重増加を20歳時と比較して10kg以上の体重増加と定義したところ、302997例(19.4%)に認めました。体重増加ありは体重増加なしと比べて高齢で男性のほうが多い傾向にありました。BMI、ウエスト周囲径、既知の心血管疾患リスク因子は体重増加あり群で多く、カプランマイヤー曲線、ログランク検定の結果、体重増加あり群は心筋梗塞、狭心症、脳卒中を含む複合転帰の発生率が高率でした。体重増加による交絡因子も含む、多変量Cox回帰分析では、体重増加は複合転帰の発生率と独立した危険因子(Hazard ratio 1.10, 95% confidence interval 1.07-1.13, p < 0.001)でした。サブグループ解析では、体重増加と心血管疾患の発生との関連は、年齢、性別、BMIとは関係なく認めました。20歳時から10kg以上の体重増加をしていることは、肥満に至っていなくても心血管イベントの高い危険因子でした。成人期の体重増加はその後の心血管疾患の有意な危険因子であることを示しています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.atherosclerosis-journal.com/article/S0021-9150(20)30289-6/abstract
肥満ではなくても、20歳時の体重から10kg以上増加していることは、心血管疾患の危険因子であり、心血管疾患をハザード比で10%増加させていたという日本の研究です。数年以内の体重変化は問診でよく聞いてしていますが、20歳時の体重からの変化も重要な情報ということです。
2020/7/7、非肥満の一般集団において体重増加とその後の心血管イベントとの関係を調べた日本の研究「Association of body weight gain with subsequent cardiovascular event in non-obese general population without overt cardiovascular disease」の要旨をまとめました。