2020/10/6、若年無症候性の心血管リスクを機械学習で予測する研究「Machine Learning Improves Cardiovascular Risk Definition for Young, Asymptomatic Individuals」の要旨をまとめました。臨床実践ガイドラインでは、標準リスク予測ツールを用いて、中程度の動脈硬化性心血管リスクを持つ場合には画像技術による潜在的な動脈硬化の評価を受けるように推奨されています。若年、無症候性の集団において、潜在性の動脈硬化の存在を予測するために、日常、定量的に、簡易に測定可能な機械学習モデルを開発しました。機械学習モデルによる動脈硬化性リスクは、至適な画像リスク評価を算出しました。「Elastic Net」モデル、動脈硬化予測、冠動脈石灰化スコア、二次元血管超音波の推移を組み合わせて定義しました。機械学習モデルの動脈硬化と有無と進行の予測のパフォーマンスを、従来の心血管疾患リスクスコアと比較しました。外部独立コホートにて検証しました。「EN-PESA」(Progression of Early Subclinical Atherosclerosis)は、集団における潜在性の動脈硬化をc統計値0.88で予測しました。さらに、「EN-PESA」は動脈硬化の進行に関わる3項目の独立した予測因子を発見しました。「EN-PESA」は、中程度から高度の心血管リスク1411例、動脈硬化性心血管疾患267例、「SCORE」(ystematic Coronary Risk Evaluation)スコア507例と比べて、有意に多く認めました。全体で86.8%、「EN-PESA」に基づいてリスク高値と判定、ベースラインにおける動脈硬化、3年後の動脈硬化の有意な進行を予測しました。「EN-PESA」モデルは、年齢、収縮期血圧、10項目の採血検査、尿検査の項目、食事摂取からなり、若年、無症候性の動脈硬化の進行、心血管リスクを評価しました。画層検査、薬物療法の適応のベネフィットに有用でしょう。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33004133
年齢、血圧、採血検査、尿検査、食事等から、心血管リスクを予測可能な機械学習モデルを開発したという論文です。循環器内科医も、年齢、食事、運動、喫煙、飲酒、血圧、脂質、血糖、家族歴等の情報から動脈硬化の程度を総合的に判断しており、やっていることはあまり変わらない印象です。画像検査の適応は、必要性を説明した後に、最終的には本人と相談して決めるので、これも今の医療現場でやっていることとあまり変わらない印象です。
2020/10/6、若年無症候性の心血管リスクを機械学習で予測する研究「Machine Learning Improves Cardiovascular Risk Definition for Young, Asymptomatic Individuals」の要旨をまとめました。