2020/11/17、2型糖尿病、一次予防、二次予防において心血管疾患事象リスクとリスク因子コントロールについて調べた研究「Risk Factor Control and Cardiovascular Event Risk in People With Type 2 Diabetes in Primary and Secondary Prevention Settings」の要旨をまとめました。2型糖尿病においてリスク因子管理と心血管疾患リスクの関係、心臓腎臓疾患が関係に影響を与えるかどうか評価するために、「CPRD GOLD」(Clinical Practice Research Datalink)、「SCI-Diabetes dataset」(Scottish Care Information-Diabetes)のデータを使用、入院、死亡データと結合、後ろ向きコホート研究を実施しました。2006年から2915年、「CPRD」から2型糖尿病101749例、糖尿病なし対照群378938例、「SCI-Diabetes」から2型糖尿病330892例を対象としました。主要暴露は好ましいリスク因子の数、非喫煙者、総コレステロール4mmol/L未満、中性脂肪1.7mmol/L以下、HbA1c 7.0以下、収縮期血圧140mmHg未満、ハイリスクの場合は130mmHg未満としました。Coxモデルにて心血管リスク、リスク因子コントロールレベルとの関係を評価しました。結果、「CPRD」、年齢63歳、心臓腎臓疾患28%、「SCI-Diabetes」、年齢62歳、心臓腎臓疾患35%、3年間以上の追跡、心血管疾患は「CPRD」27900例(27%)、「SCI-Diabetes」101362例(31%)、「CPRD」対照群75520例発生しました。「CPRD」において、対照群と比べて、2型糖尿病、至適リスク因子コントロール群(全リスク因子コントロール良好)群は、高い心血管疾患事象(adjusted hazard ratio, 1.21; 95% confidence interval, 1.12-1.29)を認めました。「CPRD」「SCI-Diabetes」、心血管疾患の蓄積ハザード比は5リスク因子上昇の場合は至適リスク因子コントロール良好群と比べて、心臓腎臓疾患ありにおいて1.09(95% confidence interval, 1.01-1.17)、心臓腎臓疾患なしにおいて1.96(95% confidence interval, 1.82-2.12)でした。心臓腎臓疾患なしは若年で、至適ではないリスク因子コントロールの割合が多く、心臓腎臓疾患ありと比べて、リスク因子修正薬物療法を受けている割合がほとんど認めませんでした。2型糖尿病、至適管理は対照群と比べて21高い心血管疾患リスクを認めました。2型糖尿病、心臓腎臓疾患なしは心血管疾患リスク因子介入の大きなベネフィットがある可能性があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33196309
2型糖尿病においては、心臓疾患、腎臓疾患がない場合においても、禁煙、脂質、血糖、血圧管理によって心血管疾患のリスクを減少させることが出来るという論文です。
2020/11/17、2型糖尿病、一次予防、二次予防において心血管疾患事象リスクとリスク因子コントロールについて調べた研究「Risk Factor Control and Cardiovascular Event Risk in People With Type 2 Diabetes in Primary and Secondary Prevention Settings」の要旨をまとめました。