2021/2/4、COVID-19中等症から重症例に対するコルヒチンの有益な影響について調べた研究「Beneficial effects of colchicine for moderate to severe COVID-19: a randomised, double-blinded, placebo-controlled clinical trial」の要旨をまとめました。

2021/2/4、COVID-19中等症から重症例に対するコルヒチンの有益な影響について調べた研究「Beneficial effects of colchicine for moderate to severe COVID-19: a randomised, double-blinded, placebo-controlled clinical trial」の要旨をまとめました。COVID-19の標準治療にコルヒチンを追加することで転帰は改善するか調べるために、2020/4/11から8/30まで、中等症から重症COVID-19の75例を対象に、コルヒチンの無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験を実施しました。コルヒチンの投与レジメンは、0.5mg1日3回5日間、その後0.5mg1日2回5日間としました。主要評価項目は酸素投与の必要性、入院時間、集中治療室の滞在時間、死亡率としました。結果、72例、プラセボ群36例、コルヒチン群36例、試験完了しました。酸素投与の必要な時間中央値は、コルヒチン群4.0(2.0–6.0)日、プラセボ群6.5(4.0–9.0)日、有意差(p<0.001)を認めました。入院時間中央値はコルヒチン群7.0(5.0–9.0)日、プラセボ群9.0(7.0–12.0)、有意差(p=0.003)を認めました。投与2日目、酸素投与を必要とする例は、コルヒチン群67%、プラセボ群86%、7日目コルヒチン群9%、プラセボ群42%、有意差(log rank; p=0.001)を認めました。2例、両群1例死亡しました。下痢はコルヒチン群で有意に多く(p=0.26)認めました。コルヒチンは酸素投与療法、入院時間の両方を減少しました。コルヒチンは安全で認容可能でした。コルヒチンはCOVID-19の死亡率低下の可能性が示唆されました。
https://rmdopen.bmj.com/content/7/1/e001455
尿酸発作治療薬のコルヒチンがCOVID-19の酸素投与、入院期間を減少したとの報告です。なんで尿酸の薬が?と思うかも知れませんが、コルヒチンの薬理作用の主体は白血球遊走阻害作用であり、感染症に対しては過剰な免疫反応を抑制するのかも知れません。動脈硬化に対しても抑制的に作用することが知られており、コルヒチンの多面的作用は興味深いです。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0205535210/index.html

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