平成30年1月24日開催の中央社会保険医療協議会総会(中医協)にて、「オンライン診療料」の新設が決定されました。中医協とは日本の医療制度の根幹、診療報酬点数を決める会議です。
「中央社会保険医療協議会総会(第386回)議事次第」→http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000191961.html
今まで十分な診療報酬が付かないのが原因で日本ではオンライン診療が普及しないのだと言われていましたが、このたび診療報酬が付くことが決まりました。名前は「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」「オンライン在宅管理料」に決まりました。医療もついにオンラインの時代の到来です。お茶の水循環器内科は治療継続の負担軽減の強力な一つのツールとして、オンライン診療にも積極的に取り込んでいます。このたび、「在宅患者持続陽圧人工呼吸療法」に対する「遠隔モニタリング加算」が新設され、睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法がオンライン診療との組み合わせで出来るようになるのも大きな点です。まだ未定の部分も多いですが、お茶の水循環器内科としても、4月からオンライン診療をスムーズに開始出来るように引き続き情報収集、準備、診療体制等を整えて行く計画です。具体的な点数等明確にわかり次第随時お知らせいたします。
「個別改定項目について」→http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf
492ページと大変長い資料なのですが、393ページからが該当部分です。「○点」「○月」「○割」などと記載されているところは現時点では決まっていなく、これから決定をする予定のところです。下記に原文を文字起こししてみましたので、どうぞご参考ください。
【Ⅱ-2 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションやICT等の将来の医療を担う新たな技術を含む先進的な医療技術の適切な評価と着実な導入 -⑧】
⑧ オンライン診療料・オンライン医学管理料の新設
骨子<Ⅱ-2(9)>
第1 基本的な考え方
情報通信機器を活用した診療(オンラインシステム等の通信技術を用いた診察や医学管理)について、対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、診療報酬上の評価を新設する。
第2 具体的な内容
1.対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、オンライン診療料を新設する。
(新) オンライン診療料 ○点(1月につき)
[算定要件]
(1) 別に定めるオンライン診療料が算定可能な初診以外の患者で、かつ、当該管理に係る初診から○月以上を経過した患者(初診から○月の間は毎月対面による診療を行っている場合に限る。)に対して、オンラインによる診察を行った場合に算定できる。ただし、連続する○月は算定できない。
(2) 患者の同意を得た上で、対面による診療(対面による診療の間隔は○月以内に限る。)とオンラインによる診察を組み合わせた療養計画を作成し、当該計画に基づき診察を行った上で、その内容を診療録に添付しているこ と。
(3) 当該診療料を算定する場合は、当該保険医療機関に設置された情報通信機器を用いて診察を行うこと。
(4) オンラインを用いて診察する医師は、対面による診療を行っている医師と同一の医師であること。
※オンライン診療料を算定する場合の処方せん料の取扱い等については、有 効性や安全性等に配慮し、別に定める。
[オンライン診療料が算定可能な患者]
特定疾患療養管理料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、糖尿病透析予防指導管理料、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、生活習慣病管理料又は在宅時医学総合管理料を算定している初診以外の患者で、かつ、当該管理に係る初診から○月以上を経過した患者
[施設基準]
(1) 厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針等に沿って診療を行う体制を有する保険医療機関であること。
(2) 緊急時に概ね○分以内に当該保険医療機関において診察可能な体制を有していること。(ただし、てんかん指導料又は難病外来指導管理料を算定する患者は除く。)
(3) 当該保険医療機関において、一月あたりの再診料(電話等による再診は除く)及びオンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合が○割以下であること。
2.対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、オンライン医学管理料等を新設する。
(新) オンライン医学管理料 ○点(1月につき)
[算定要件]
(1) 特定疾患療養管理料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、糖尿病透析予防指導管理料、地域包括診療料、認知症地域包括診療料又は生活習慣病管理料を算定すべき医学管理を継続的に行っている患者に対して、療養計画に基づき対面診療とオンライン診療を組み合わせた管理を行った場合に、前回受診月から今回受診月までの期間が○月の場合に限り、所定の管理料に合わせて算定できる。
(2) 特定疾患療養管理料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、糖尿病透析予防指導管理料、地域包括診療料、認知症地域包括診療料又は生活習慣病管理料を算定しており、かつ、当該管理に係る初診から○月以上を経過した患者(初診から○月の間は毎月対面による診療を行っている場合に限る。)であること。
(3) 患者の同意を得た上で、対面による診療(対面による診療の間隔は○月以内に限る。)とオンラインによる診察を組み合わせた療養計画を作成し、当該計画に基づき診察を行った上で、その内容を診療録に添付している。
(4) 当該診療料を算定する場合は、当該保険医療機関に設置された情報通信機器を用いて診察を行う。
(5) オンラインを用いて診察する医師は、対面による診療を行っている医師と同一の医師であること。
[施設基準]
(1) 厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針等に沿って診療を行う体制を有する保険医療機関であること。
(2) 緊急時に概ね○分以内に当該保険医療機関において診察可能な体制を有していること。(ただし、てんかん指導料又は難病外来指導管理料を算定する患者は除く。)
(3) 当該保険医療機関において、一月あたりの再診料(電話等による再診は除く。)及びオンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合が○割以下であること。
(新) 在宅時医学総合管理料 オンライン在宅管理料 ○点(1月につき)
[算定要件]
(1) 在宅での療養を行っている患者(施設入居者等を除く)であって通院困難なものに対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に定期的な訪問診療を1回のみ行い、かつ、当該月において訪問診療を行った日以外に情報通信機器を用いた医学管理を行った場合に、在宅時医学総合管理料の所定点数に加えて算定する。ただし、連続する○月は算定できない。
(2) 在宅時医学総合管理料を算定しており、かつ、当該管理に係る初診から ○月以上を経過した患者(初診から○月の間は毎月対面による診療を行っている場合に限る。)であること。
(3) 患者の同意を得た上で、対面による診療(対面による診療の間隔は○月以内に限る。)とオンラインによる診察を組み合わせた療養計画を作成し、当該計画に基づき診察を行った上で、その内容を診療録に添付しているこ と。
(4) 当該診療料を算定する場合は、当該保険医療機関に設置された情報通信機器を用いて診察を行う。
(5) オンラインを用いて診察する医師は、対面による診療を行っている医師と同一の医師であること。
[施設基準]
(1) 厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針等に沿って診療を行う体制を有する保険医療機関であること。
(2) 緊急時に概ね○分以内に当該保険医療機関において診察可能な体制を有していること。(ただし、てんかん指導料又は難病外来指導管理料を算定する患者は除く。)
(3) 当該保険医療機関において、1月あたりの再診料(電話等による再診は除く。)及びオンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合が○割以下であること。
【Ⅱ-2 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションやICT等の将来の医療を
担う新たな技術を含む先進的な医療技術の適切な評価と着実な導入 -⑨】
⑨ 電話等再診の見直し
骨子<Ⅱ-2(10)>
第1 基本的な考え方
電話等による再診について、患者等から電話等によって治療上の意見を求められて指示をした場合に算定が可能であるとの取扱いがより明確になるよう、要件を見直す。
第2 具体的な内容
1.患者等から電話等によって治療上の意見を求められて指示をした場合に算定が可能であるとの取扱いがより明確になるよう、要件を見直す。
現行
【再診料】
[算定要件]
当該保険医療機関で初診を受けた患者について、再診以後、当該患者又はその看護に当たっている者から直接又は間接(電話、テレビ画像等による場合を含む。)に、治療上の意見を求められた場合に、必要な指示をしたときには、再診料を算定できる。
改定案
【再診料】
[算定要件]
当該保険医療機関で初診を受けた患者について、再診以後、当該患者又はその看護に当たっている者から直接又は間接(電話、テレビ画像等による場合を含む。)に、治療上の意見を求められた場合に、必要な指示をしたときには、再診料を算定できる。ただし、定期的な医学管理を前提として行われる場合は算定できない。
【Ⅱ-2 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションやICT等の将来の医療を 担う新たな技術を含む先進的な医療技術の適切な評価と着実な導入 -⑩】
⑩ 在宅患者持続陽圧人工呼吸療法 遠隔モニタリング加算の新設
骨子<Ⅱ-2(11)>
第1 基本的な考え方
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料について、治療機器の装着状況等を遠隔でモニタリングする等により指導管理を行った場合の評価を新設する。また、在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算について、評価の見直しを行う。
第2 具体的な内容
1.在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料に遠隔モニタリング加算を新設する。
(新) 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 遠隔モニタリング加算 ○点(1月につき)
[算定要件]
(1) 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2を算定し、CPAP療法を実施している患者について、前回受診月の翌月から今回受診月の前月までの期間、遠隔モニタリングを用いて療養上必要な指導を行った場合、遠隔モニタリング加算として、○月を限度として所定点数に加算する。
(2) 患者の同意を得た上で、対面による診療と情報通信機器による診察を組み合わせた療養計画を作成し、当該計画に基づき診察を行った上で、その内容を診療録に添付していること。
(3) 対面診療の間に、情報通信機器を用いてCPAPの着用状況等のモニタリングを行った上で適切な指導・管理を行い、状況に応じて適宜患者に来院等を促す等の対応を行うこと。
(4) 少なくとも月1回は、モニタリングにより得られた臨床所見等を診療録に記載しており、また、必要な指導を行った際には、当該指導内容を診療録に記載していること。
[施設基準]
(1) 厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針等に沿って診療を行う体制を有する保険医療機関であること。
(2) 緊急時に概ね○分以内に当該保険医療機関において診察可能な体制を有していること。(ただし、てんかん指導料又は難病外来指導管理料を算定する患者は除く。)
2.在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算について、評価の見直しを行う。
現 行
【在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算】
CPAPを使用した場合 1,100点
改定案
【在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算】
CPAPを使用した場合 ○点