2020/1/30(木)、自然気胸に対する保存的管理と外科的介入と比較した研究「Conservative versus Interventional Treatment for Spontaneous Pneumothorax」の結果をまとめました。

2020/1/30(木)、自然気胸に対する保存的管理と外科的介入と比較した研究「Conservative versus Interventional Treatment for Spontaneous Pneumothorax」の結果をまとめました。14歳から50歳の中程度から重症の初発の自然気胸316例を対象に、即外科的介入を行う群154例、保存的に観察を行う群162例とに分け、12ヶ月間追跡しました。結果、保存的管理群のうち25例(15.4%)はその後外科的介入が行われ、137例 (84.6%)は外科的介入を行われませんでした。追跡が完了したのは131例でした。再膨張は8週間以内に保存的管理群で129例(98.5%)、介入群で118例(94.4%)認め、非劣性(リスク差 −4.1 % 95%CI −8.6 to 0.5 非劣性のP=0.02)を認めました。追跡不能だった例のデータを治療失敗として補完した場合の分析では、事前に設定した非劣性のマージン(-9%)の範囲外(リスク差 −11.0% 95%CI −18.4 to −3.5)でした。重大な有害事象、気胸の再発は保存的管理群で少ない結果でした。論文では保存的管理は介入と比べて非劣性で、有害事象が少なかったとまとめています。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1910775
気胸と言うと即手術というイメージがあるかも知れませんが、保存的管理も悪くないという研究結果です。外科医の判断に任せるのが良いでしょう。お茶の水循環器内科では胸痛で受診した患者さんでしばしば気胸が見つかりますが、原則的に必ず外科に紹介するようにしています。

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