2020/5/12(木)、ネットワーク科学モデルを用いて認知症の発症リスクが高まる食事パターンを特定する研究「Using network science tools to identify novel diet patterns in prodromal dementia」の結果をまとめました。

2020/5/12(木)、ネットワーク科学モデルを用いて認知症の発症リスクが高まる食事パターンを特定する研究「Using network science tools to identify novel diet patterns in prodromal dementia」の結果をまとめました。
ネットワーク科学モデルを用いて、複雑な食事の関係性、認知症の発症前の10年間、フランスの大規模コホート、ボルドー3都市研究(3-City Bordeaux study)にて、認知症の症例のベースラインの食事摂取の頻度の問診を12年間に渡って追跡しました。年齢、食事、性別、教育、調査の時期をマッチさせた対照群を無作為に選択しました。症例群と対照群それぞれの情報を用いて、非線形の関係、両群間の食事摂取パターンについて、食事ネットワークを推定しました。ネスト化症例対照研究、症例群209例、対照群418例、平均追跡期間5.0 vs 4.9、受診回数4.1 vs 4.4でした。平均食事摂取の単純解析では差はほとんどありませんでしたが、食事ネットワークは症例群と対照群で差を認めました。症例群では、食肉加工品(charcuterie)に集中しており、典型的なフランス、西洋食、スナック食品とのつながりが特徴でした。一方で、対照群のネットワークでは、多様で健康的な食事選択を反映したいくつかのつながりが認められました。どのような食事を摂ればよいか、量だけではなく、認知症予防に重要です。診断前のコホートのエビデンスからは、前認知症における食事ネットワークの違いは、食肉加工品、スナックが悪い食事習慣であることを示唆しています。ネットワーク手法は複雑系のモデル向けにデザインされており、認知症の危険因子のさらなる理解へとつながるかも知れないと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32321763
認知症の予防する食事についてはわかっていないことも多いですが、食事の量だけではなく組み合わせが重要かも知れないという報告です。具体的には、ハム、ソーセージ、テリーヌなどの食肉加工品、ジャガイモ、デンプン、アルコール飲料、菓子類などが症例群で多く、野菜、果物、魚介類などが対照群では多いという結果でした。メディカルトリビューンにも記事が上がっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0515530215/


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