2020/6/12-6/18、第80回アメリカ糖尿病学会学術集会にて、SGLT2阻害薬イプラグリフロジンの非アルコール性脂肪肝疾患に対する効果が発表されました。

非アルコール性脂肪性肝疾患(Non-Alcoholic Fatty Liver Disease: NAFLD)は、肝硬変、肝臓癌のリスクで、肥満、運動不足、糖尿病、脂質異常症等が要因です。治療は食事、運動等の生活習慣が中心で、今までは保険適応を有する薬剤はありませんでした。非アルコール性脂肪性肝疾患、2型糖尿病55例を対象、イプラグリフロジン群、対照群、72週間追跡、肝生検の結果、肝線維化の改善はイプラグリフロジン群70.6%(17例中12例)、対照群22.2%(18例中4例)と比べて高率でした。また、肝生検の組織学的所見に関して、イプラグリフロジン群で、進行性の非アルコール性脂肪肝炎(Non-Alcoholic SteatoHepatitis: NASH)から、比較的予後良好の単純性脂肪肝(Non-Alcoholic Fatty Liver: NAFL)への移行が高率に認められたとのことです。詳しくは日経メディカル(要会員登録)の記事をご覧ください。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t353/202006/566071.html
非アルコール性脂肪性肝疾患の治療薬としてのSGLT2阻害薬の可能性です。今までも改善効果は報告されていましたが、肝生検にて組織学的所見まで評価した研究は初めてとのことです。


PAGETOP