2020/7/27、COVID-19回復早期の心血管MRIの所見について調べた研究「Outcomes of Cardiovascular Magnetic Resonance Imaging in Patients Recently Recovered From Coronavirus Disease 2019」の要旨をまとめました。

2020/7/27、COVID-19回復早期の心血管MRIの所見について調べた研究「Outcomes of Cardiovascular Magnetic Resonance Imaging in Patients Recently Recovered From Coronavirus Disease 2019」の要旨をまとめました。COVID-19は全世界で有病率、死亡率において脅威となっています。入院例の症例報告において心血管系への影響が示唆されていますが、影響の全体像はまだ十分にわかっていません。COVID-19から早期回復例において、心筋障害の発生率を調べるために、2020年4月から6月、フランクフルト大学病院にて、COVID-19から回復早期の100例を対象に、前向き観察コホート研究を実施しました。上気道からのスワブ検査の逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応によってSARS-CoV-2から回復早期と判断された例を対象に、疫学的特徴、心臓血液マーカー、心血管MRIを実施しました。年齢、性別を一致させた対照群として健康ボランティア50例、リスク因子一致群57例と比較しました。結果、100例、男性53例 、平均年齢49歳でした。COVID-19と診断されてから心臓MRIを撮影するまでの平均期間は71日(四分位範囲64-92)でした。COVID-19から回復早期の100例のうち、67例は回復して自宅に、33例は入院中でした。心臓MRIの撮影時、高感度トロポニンTは71例に検出(3pg/mL以上)されました。13.9pg/mL以上の有意な上昇は5例に認めました。健康な対照群、リスク因子一致させた対照群と比べて、COVID-19から早期回復群は、左室駆出率が低く、左室容量が大きく、左室重量が大きく、T1、T2で高信号が認められました。COVID-19回復例のうち、78例で異常(abnormal)な心臓MRI所見が認められ、心筋T1の高信号73例、心筋T2の高信号60例、心筋遅延ガドリニウム造影32例、心膜造影22例でした。T1マッピングでは、回復退院群と入院群で、わずかではありますが有意な差(median [IQR], 1122 [1113-1132] ms vs 1143 [1131-1156] ms; P = 0.02)を認めましたが、T2マッピング、高感度トロポニンT値には有意差を認めませんでした。COVID-19からの回復期間については相関(native T1: r = 0.07; P = .47; native T2: r = 0.14; P = .15; hsTnT: r = -0.07; P = .50)は認めませんでした。高感度トロポニンTはT1マッピング(r = 0.35; P < .001)、T2マッピング(r = 0.22; P = .03)と有意に関連を認めました。重度の所見を認めた例の心筋内膜生検では、活発なリンパ球性炎症像を認めました。T1、T2はCOVID-19関連心筋病理像の反映する有用な方法です。COVID-19感染から早期回復例のコホート研究の結果、心臓MRIにて何らかの異常は78例に認め、以前の状況、重症度、急性期の経過、最初の診断からの期間とは独立して、60例では心筋の炎症が続いていました。これらの所見から、COVID-19の心血管への影響は長期に追跡していく必要性がある可能性があると論文ではまとめました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32730619/
COVID-19関連心筋炎の報告がありますが、回復後71日の時点においても心臓MRIにて78%に何らかの所見が認められたとの報告です。当院ではまだ経験がありませんが、今後、COVID-19関連の亜急性心筋炎、後遺症としての慢性心筋炎などの病態が問題となって来るのかも知れません。


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