2020/10/5、救急外来受診後、急性冠症候群疑い例に対する早期の非侵襲心臓検査について調べた研究「Early Noninvasive Cardiac Testing After Emergency Department Evaluation for Suspected Acute Coronary Syndrome」の要旨をまとめました。

2020/10/5、救急外来受診後、急性冠症候群疑い例に対する早期の非侵襲心臓検査について調べた研究「Early Noninvasive Cardiac Testing After Emergency Department Evaluation for Suspected Acute Coronary Syndrome」の要旨をまとめました。急性冠症候群疑い、救急外来受診後、72時間以内に非侵襲心臓検査(noninvasive cardiac testing: NCT)は専門家のガイドラインで推奨されています。しかしながら、将来の死亡、急性心筋梗塞リスクを減らすかどうかは十分なエビデンスがありませんでした。早期の非侵襲心臓検査が30日以内の死亡、急性心筋梗塞リスクを減らすかどうか有効性を評価するために、2015年から2017年、南カルフォルニア、カイザーパーマネンテ統合健康提供システム、胸痛にて救急外来を受診、急性心筋梗塞を除外された例を対象に、早期非侵襲心臓検査群、対照群を比較、後ろ向き多施設コホート研究を実施しました。救急外来受診後30日間追跡しました。救急外来で急性冠症候群を疑われた例に対して、3日以内に非侵襲心臓検査を実施しました。主要評価項目は救急外来受診後30日以内の死亡、急性心筋梗塞リスクの複合としました。結果、79040例、女性57.7%、平均年齢57歳、早期非侵襲心臓検査16164例(21%)完了しました。30日以内の死亡、心筋梗塞の絶対リスクは1%未満でした。早期非侵襲心臓検査群は死亡、心筋梗塞リスク複合(0.4% [95% CI, −0.6% to −0.3%])、死亡(0.2% [95% CI, −0.2% to −0.1%])、心筋梗塞(−0.3% [95% CI, −0.5% to −0.1%])、主要有害心臓事象(−0.5% [95% CI, −0.7% to −0.3%])の絶対リスク減少の軽度の有益性を認めました。30日以内の治療必要数は、死亡及び心筋梗塞250、死亡500、心筋梗塞333、主要有害心臓事象200でした。サブグループ解析では、トロポニン上昇を認める例においては、死亡及び心筋梗塞を回避する治療必要数は14でした。救急外来受診、急性冠症候群疑い例において、早期非侵襲心臓検査は死亡、心筋梗塞リスクを軽度減少しましたが、治療必要数が大き過ぎるため、本臨床戦略は最適とは言えない可能性があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2771506
急性冠症候群疑い例に対して救急外来受診後に早期に負荷心電図等の非侵襲心臓検査を実施したほうが良いと推奨されていますが、実際には治療必要数が大き過ぎて実用的とは言えないのではないかという報告です。トロポニン上昇を認める例には有用であるという報告ですが、トロポニン陽性であればそのまま入院精査が必要でしょうし、本当に急性冠症候群が疑われる場合は負荷心電図検査自体もリスクを伴うため、冠動脈CT等で直接的に冠動脈を評価したほうが安全でしょう。

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