アンター解説記事に「抗血小板薬二剤併用療法(DAPT: Dual Anti-Platelet Therapy)」についてのわかりやすい説明があります。

アンター解説記事に「抗血小板薬二剤併用療法(DAPT: Dual Anti-Platelet Therapy)」についてのわかりやすい説明があります。
https://antaa-med.com/dapt_duration_chugai

心筋梗塞や不安定狭心症に対してカテーテル治療、PCI(Percutaneous Coronary Intervention: 経皮的冠動脈形成術)という治療を行います。PCIでは
多くの場合ステント留置を行い、ステント留置後にはステント内再狭窄(ISR: Intra-Stent Restenosis)を防ぐために、DAPT(Dual Anti-Platelet Therapy: 抗血小板薬二剤併用療法)を行います。DAPTは文字通り、抗血小板薬を二剤併用で抗血小板療法を行うことで、DAPTと言います。また、抗血小板薬を一剤で抗血小板療法を行うことをSAPT(Single Anti-Platelet Therapy)と言います。
・DAPT(Dual Anti-Platelet Therapy)
・SAPT(Single Anti-Platelet Therapy)
抗血小板薬には、バイアスピリン(アスピリン)、プラビックス(クロピドグレル)、エフィエント(プラスグレル)などがあります。通常、バイアスピリン(アスピリン)をベースの一剤として、プラビックス(クロピドグレル)かエフィエント(プラスグレル)かもう一剤を併用します。DAPT、SAPTの目的はいずれもステント内再狭窄(ISR: Intra-Stent Restenosis)を防ぐこと、ステント留置した場所の内側に新たに血栓症を起こさないようにすることです。DAPTのほうが抗血小板作用は高いのですが、出血リスクが多く、SAPTのほうが出血リスクは少ないのですが、抗血小板作用は低いので、効果を最大限にして、副作用を最小限にすることを目指します。様々な研究結果から、通常、PCI後は6ヶ月から12ヶ月間の間はDAPTを行い、その後フォローアップの冠動脈造影にてステント内再狭窄を認めないことを確認後、DAPTからSAPTに切り替え可能かどうか判断します。個々の症例によってケースバイケースですが、多くの場合PCI後DAPT、9ヶ月後前後に冠動脈造影、問題なければSAPTに切り替えを行います。以上が心筋梗塞の治療後になぜ抗血小板薬二剤を飲まなくてはならないか、9ヶ月後前後にもう一回冠動脈造影の検査をしなければならないかの理由です。詳しくは主治医までご相談ください。

【お茶の水循環器内科】

お茶の水循環器内科は5年目を迎えました。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関になりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、心血管疾患の危険因子をコントロールすることで十分に予防が可能です。具体的には、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を行うことが重要で、そのために当院は夜間や土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、これが我々の使命です。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理、抗凝固療法・心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、高血圧性心肥大、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療の適応の評価、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病、腎硬化症の管理、糖尿病性腎症の管理
・その他、健診後の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、一度なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。お気軽に主治医までご相談ください。

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