2019/12/19(木)、長時間労働と血圧との関係を調べたカナダの研究「Long Working Hours and the Prevalence of Masked and Sustained Hypertension」の結果をまとめました。

2019/12/19(木)、長時間労働と血圧との関係を調べたカナダの研究「Long Working Hours and the Prevalence of Masked and Sustained Hypertension」の結果をまとめました。労働時間と仮面高血圧、持続性高血圧との関係を調べるために、カナダのホワイトワーカー3547例を対象に、5年間追跡しました。仮面高血圧(masked hypertension)は、クリニック血圧140/90未満かつ自由行動下血圧で135/85以上と定義、持続性高血圧(sustained hypertension)は、クリニック血圧140/90以上かつ自由行動下血圧135/85以上、または降圧薬治療中の場合と定義しました。解析の結果、長時間労働は、社会人口動態的因子、生活習慣関連因子、糖尿病、家族歴、仕事の負担(job strain)等の因子を調整後も、仮面高血圧の有病率と関連(有病率 49+=1.70 95%CI 1.09–2.64)を認めました。持続性高血圧も同様に関連(有病率 49+=1.66 95%CI 1.15–2.50)を認めました。長時間労働は仮面高血圧、持続性高血圧、両方のリスク因子であることが明らかになりました。労働時間は、週当たりの労働時間41時間以上で血圧上昇傾向を認めています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.12926
高血圧のリスク因子で修正可能なものは、塩分過剰摂取、運動不足、喫煙、大量飲酒の4つです。他にも、年齢、性別、遺伝的因子、ストレス、睡眠、労働時間等も高血圧に関係がありますが、自分の意思で変えることが出来るか出来ないかで言ったら変えることが難しい場合が多いので、修正可能な因子には含めていない場合もありますが、修正可能であればそれが望ましいです。

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