2020/2/25(水)、PM2.5と心血管疾患の関係を調べた中国の研究「Long-Term Exposure to Fine Particulate Matter and Cardiovascular Disease in China」の結果をまとめました。PM2.5(particulate matter of diameter <2.5 μm)とは、大気中に浮遊している粒子状物質で、大きさが2.5μmよりも小さいものです。PM2.5の長期暴露と心血管疾患(cardiovascular diseases: CVDs)の関係を調べるために、中国の全国コホート研究「China-PAR(Prediction for Atherosclerotic Cardiovascular Disease Risk in China)」の参加者で、2000年時点で心血管疾患の既往のない11万6972例を対象に、2015年まで追跡しました。調査の対象となった地域の年間PM2.5レベルは25.5から114.0 μg/m3でした。解析の結果、PM2.5レベルが10 μg/m3増加するにつれて、多変量調整後の心血管疾患のハザード比が1.251倍増加(95%CI 1.220 to 1.283)、心血管疾患死亡リスクは1.164倍増加(95%CI 1.117 to 1.213)を認めました。用量反応関係のカーブはPM2.5暴露レベルが高くなるにつれて急激(steeper)でした。さらに、高齢者、農村部住民、非喫煙者はより影響を受けやすい傾向にありました。PM2.5の長期暴露は心血管疾患に対して有害であり、PM2.5レベルが高いほど影響が増大することがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0735109720300048
PM2.5が脳卒中に対して有害であることも先行研究にて明らかになっていますが、心血管疾患に対しても有害であることが明らかになりました。詳しくは下記をご覧ください。
2019/12/27(金)、PM2.5と脳卒中の関係を調べた中国の研究「Long term exposure to ambient fine particulate matter and incidence of stroke: prospective cohort study from the China-PAR project」の結果をまとめました。
→https://ochanomizunaika.com/13642
論文では、大気汚染も心血管疾患のリスク因子の一つであり、大気汚染に対して空気の質を改善することは心血管疾患へのベネフィットがある可能性があると指摘しています。
2020/2/25(水)、PM2.5と心血管疾患の関係を調べた中国の研究「Long-Term Exposure to Fine Particulate Matter and Cardiovascular Disease in China」の結果をまとめました。