2020/3/17(火)、心不全を合併した糖尿病または心不全の合併のない糖尿病における心血管疾患に対するリラグルチドの効果について調べた研究「Effects of Liraglutide on Cardiovascular Outcomes in Patients With Diabetes With or Without Heart Failure」の結果をまとめました。

2020/3/17(火)、心不全を合併した糖尿病または心不全の合併のない糖尿病における心血管疾患に対するリラグルチドの効果について調べた研究「Effects of Liraglutide on Cardiovascular Outcomes in Patients With Diabetes With or Without Heart Failure」の結果をまとめました。GLP-1受容体作動薬(glucagon-like peptide-1 receptor agonists)の2型糖尿病及び心不全への効果を調べるために、「LEADER」(Liraglutide Effect and Action in Diabetes: Evaluation of Cardiovascular Outcome Results)試験の参加者9340例を対象に、NYHA IVの心不全を除外、リラグルチド投与群とプラセボ群に分けて、3.5年から5年間追跡しました。結果、NYHA IからIII程度の心不全の既往は18%に認め、主要心血管イベント(心血管疾患死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)は、リラグルチド投与で心不全あり群19%減少(HR 0.81 95%CI 0.65 to 1.02)、心不全なし群12%減少(HR 0.88 95%CI 0.78 to 1.00)を認めました。死亡はリラグルチド投与群でプラセボ群と比較して、心不全あり群で11%減少(HR 0.89 95%CI 0.70 to 1.14)、心不全なし群で17%減少(HR 0.83 95%CI 0.70 to 0.97)を認めました。心不全入院と心血管死亡に対する効果は心不全の既往の有無に関わらずに認めました。リラグルチドは心不全の既往の有無に関わらず、2型糖尿病に対して適応を考慮すべきではないかと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0735109720302485
リラグルチド(ビクトーザ)はGLP-1受容体作動薬というグループの糖尿病治療薬です。SGLT2阻害薬と合わせて、GLP-1受容体作動薬も心不全に抑制的に働くというエビデンスが増えて来ました。適応等については主治医までご相談ください。

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