2020/9/25、アップルウォッチにて検出された異常脈波とその後の臨床評価、診断との関係を調べた研究「Clinical evaluation and diagnostic yield following evaluation of abnormal pulse detected using Apple Watch」の要旨をまとめました。

2020/9/25、アップルウォッチにて検出された異常脈波とその後の臨床評価、診断との関係を調べた研究「Clinical evaluation and diagnostic yield following evaluation of abnormal pulse detected using Apple Watch」の要旨をまとめました。アップルウォッチにて異常脈拍を検出された例の特徴を評価するために、4ヶ月間、アップルウォッチにて検出された異常脈波を評価する後ろ向きレビューを実施しました。結果、264例、41例(15.5%)が異常脈波アラートの記録がありました。既知の心房細動は58例(22.0%)記録されました。最も頻度が高く実施された検査は12誘導心電図158例(59.8%)でした。ホルター心電図77例(29.2%)、胸部エックス線64例(24.2%)でした。対象の臨床的に有意な心血管診断は30例(11.4%)のみで、41例中6例(15%)は明確なアラートを受けていました。偽陽性(False positive)のスクリーニング結果は、医療リソースの過剰利用(overutilization)につながる可能性があります。アメリカ食品医薬品局とアップルは、無症候性心房細動の広範囲なスクリーニングの意図的ではない(unintended)結果、適切な研究を行っていないデバイス、集団によるアップルウォッチを使った異常脈波の検出を機能的に出来るかどうか、考慮するべきだと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://academic.oup.com/jamia/article/27/9/1359/5911974
アップルウォッチによる不整脈のアラートのうち、真の不整脈ではない、偽陽性率が高く、医療リソースの過剰利用を招くのではないか、という問題を投げ掛けるメイヨークリニックからの論文です。無症候性心房細動が発見出来た例もあるのだから有益と考えるか、一般集団に対して広範囲なスクリーニング手段としては費用対効果が悪いと考えるか、興味深い視点です。検査前確率を絞ることが大切さということです。お茶の水循環器内科の考え方としては、何らかの自覚症状、不整脈のアブレーション治療後のフォローなどでは、アップルウォッチのようなスマートウォッチは有益な情報を与えてくれると考えて、積極的に臨床に活用しています。日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t359/202010/567557.html


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