2020/11/1、院外心室細動の日内変化について調べた日本の研究「Intra-day change in occurrence of out-of-hospital ventricular fibrillation in Japan: The JCS-ReSS study」の要旨をまとめました。

2020/11/1、院外心室細動の日内変化について調べた日本の研究「Intra-day change in occurrence of out-of-hospital ventricular fibrillation in Japan: The JCS-ReSS study」の要旨をまとめました。院外心室細動のリアルワールドエビデンス、特に日内変動に関して十分にわかっていません。年齢、性別依存性、心室細動の発生の日内変動の差を調べるために、2005年から2015年、全日本ウツタイン登録(All-Japan Utstein Registry)データに記録された心室細動、71692例、男性56419例(78.7%)、女性15273例(21.3%)を対象に、4つのサブグループ、1群18歳未満、2群18-39歳、3群40-69歳、4群70歳以上、に分類しました。4群それぞれ、男性、女性に分けて、心室細動の発生の日内変動、心室細動後1ヶ月後の神経予後不良の危険因子を評価しました。結果、年齢に関係なく、心室細動の発生は男性は女性に比べて高率でした。男性において、1群、3群、4群では心室細動の発生は日中に多く認めましたが、一方で、2群は他の年齢群と比べて、夜間から早朝に掛けての心室細動の発生が有意に多い(Poisson regression analysis, p = .03)ことを理由に、2群では日内差は認めませんでした。女性において、各群とも心室細動の発生の日内パターンは同様でした。ロジスティックス回帰解析にて、30日神経予後不良の重大なリスクとして、救急要請、初回ショックの時間、バイスタンダー心肺蘇生実施の有無等の臨床指標が特定されました。心室細動の発生の日内変動は男性では年齢によって差を認めましたが、女性ではそうではなく、性別によって心疾患の差があることが示唆されました。神経転帰不良の有意差に関連している可能性が示唆されました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32569698
40-69歳の男性では夜間から早朝に掛けての心室細動の発生が多かったという全日本ウツタイン登録からの報告です。神経予後の危険因子としては、た。ロジスティックス回帰解析にて、30日神経予後不良の重大なリスクとして、救急要請、初回ショックの時間、バイスタンダー心肺蘇生実施の有無が決定因子とのことで、医療機関に到着する前に決まってしまっているという事実とともに、院外の非医療従事者による心肺蘇生の普及の重要性を表しています。


PAGETOP