2020/4/28(火)、SGLT2阻害薬「STEGLATRO」(ertugliflozin)の心血管アウトカムを評価した試験「VERTIS CV」の結果の一部が発表されました。

2020/4/28(火)、SGLT2阻害薬「STEGLATRO」(ertugliflozin)の心血管アウトカムを評価した試験「VERTIS CV」の結果の一部が発表されました。「Merck Announces First-Quarter 2020 Financial Results」の中で、SGLT2阻害薬「STEGLATRO」(ertugliflozin)の心血管アウトカム試験の結果、一次転帰の非劣性は認めたものの、二次転帰の優越性は満たさなかったとの発表がありました。詳細な試験結果を待つ必要がありますが、エンパグリフロジン(ジャディアンス)、カナグリフロジン(カナグル)、ダパグリフロジン(フォシーガ)において一貫して心血管アウトカム改善効果を認めたSGLT2阻害薬ですが、ertugliflozinでは認めなかったとなると、心血管アウトカム改善効果はSGLT2阻害薬全体のクラスエフェクトではないのかも知れないという話になります。
下記、メルクの「Merck Announces First-Quarter 2020 Financial Results」の該当箇所の部分を和訳しました。
https://investors.merck.com/news/press-release-details/2020/Merck-Announces-First-Quarter-2020-Financial-Results/default.aspx
メルクとファイザーの第三層試験「VERTIS CV」は、2型糖尿病で動脈硬化性心血管疾患がある群を対象に、経口SGLT2阻害薬(sodium-glucose cotransporter 2 inhibitor)の「STEGLATRO」(ertugliflozin)はプラセボと比べて、一次転帰として主要有害心血管事象で非劣性かどうかを確認する試験で、一次転帰は達成しました。主要有害心血管事象は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中と定義されていました。プラセボと比較した優越性の二次転帰は、心血管死、心不全入院の複合、心不全死単独、腎疾患死、透析、腎移植、ベースラインからの血清クレアチニンの倍増で、二次転帰は満たしませんでした。統計解析の途中ですが、心不全入院の減少は確認されました。安全性プロファイルは以前の試験と変わりはありましたでした。VERTIS CV試験の結果の詳細は、2020/6/16のオンライン開催の第80回アメリカ糖尿学会(American Diabetes Association)のScientific Sessionsにて発表予定です。
https://investors.merck.com/news/press-release-details/2020/Merck-Announces-First-Quarter-2020-Financial-Results/default.aspx
「VERTIS CV」試験について詳しくは以下をご覧ください。
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01986881
日経メディカルでも記事に取り上げられています。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202005/565426.html


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