2020/2/1(土)、急性の心房細動に対して救急外来における電気的除細動と薬物的除細動を比較した研究「Electrical versus pharmacological cardioversion for emergency department patients with acute atrial fibrillation (RAFF2): a partial factorial randomised trial」の結果をまとめました。

2020/2/1(土)、急性の心房細動に対して救急外来における電気的除細動と薬物的除細動を比較した研究「Electrical versus pharmacological cardioversion for emergency department patients with acute atrial fibrillation (RAFF2): a partial factorial randomised trial」の結果をまとめました。2013年から2018年まで、カナダの11の大学病院の救急外来において、急性の心房細動396例を対象に、薬物的除細動(pharmacological cardioversion)と電気的除細動(electrical cardioversion)を両方行う場合(drug–shock群)204例、電気的除細動のみの場合(shock-only群)192例とで除細動効果を比較しました。薬物的除細動群ではプロカインアミド静注後、電気的除細動では200Jを用いて必要に応じて3回まで行いました。電気的除細動群では、パットの位置を前後(anteroposterior)と前側(anterolateral)で比較もしました。結果、drug-shock群196例(96%)、schock-only群176例(92%)が洞調律に復帰、有意差(絶対差 4% 95%CI 0–9 p=0.07)を認めませんでした。drug-schock群のうち106例(52%)は、薬物的除細動のみで洞調律に復帰しました。どちらの群も深刻な有害事象は認めませんでした。パッチの位置の違いによっても大きな差(119 [94%] of 127 in anterolateral vs 108 [92%] of 117 in anteroposterior p=0.68)を認めませんでした。電気的除細動と薬物的除細動のいずれも安全で有効であることが示され、薬物的除細動を先に行うことで約半数(52%)で電気的除細動のための鎮静を避けることが出来たと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)32994-0/fulltext
慢性心房細動に対して電気的除細動はあまり有効ではない印象があったのですが、急性心房細動に対してはある程度有効で、また電気的除細動も有効であるという研究結果です。カテーテルアブレーションの適応の前に、急性の心房細動に対しては試みても良いかも知れません。

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