2020/10/21、2型糖尿病における緑茶とコーヒーの相加効果について調べた日本の研究「Additive effects of green tea and coffee on all-cause mortality in patients with type 2 diabetes mellitus: the Fukuoka Diabetes Registry」の要旨をまとめました。糖尿病において、緑茶、コーヒーの摂取が死亡率に与える影響は意見が分かれています。日本の2型糖尿病において、緑茶、コーヒー、両方の組み合わせが死亡率に与える影響を前向きに研究しました。2型糖尿病、男性2790例、女性2133例、平均年齢66歳を対象に、前向きに追跡、中央値5.3年、追跡率99.5%でした。自己記入問診を使用、緑茶、コーヒーの消費量を評価しました。結果、追跡期間、死亡309例発生、緑茶、コーヒー、飲料の組み合わせの消費量は全死亡の低下と関連を認めました。多変量調整後のハザード比と95%信頼区間は、緑茶に関しては、ゼロを基準1.0とした場合、1日1杯以下0.85(0.60-1.22)、1日2-3杯0.73(0.51-1.03)、1日4杯以上0.60(0.42-0.85)、有意な傾向(P for trend, 0.002)を認めました。コーヒーに関しては、ゼロを基準1.0とした場合、1日1杯未満0.88(0.66-1.18)、1日1杯0.81(0.58-1.13)、1日2杯以上0.59(0.42-0.82)、有意な傾向(P for trend, 0.002)を認めました。組み合わせに関しては、緑茶、コーヒーともに摂取ゼロを基準1.0とした場合、緑茶1日2-3杯かつコーヒー1日2杯以上0.49(0.24-0.99)、緑茶1日4杯以上かつコーヒー1日1杯0.42(0.20-0.88)、緑茶1日4杯以上かつコーヒー1日2杯以上0.37(0.18-0.77)でした。2型糖尿病において、緑茶とコーヒーの摂取が多いことは全死亡の低下と関連しており、組み合わせの効果は相加的(additive)であるように見えました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33087342
緑茶、コーヒーは2型糖尿病に良いか、緑茶、コーヒー、緑茶とコーヒー両方の組み合わせも良いという日本からの報告です。1日緑茶4杯以上かつコーヒー2杯以上で死亡率63%低下を認めたとのことです。本当に効果があるのであれば作用機序が気になるところです。一般論として糖尿病の食事療法としても糖分を含まないお茶やコーヒーは良いことです。
2020/10/21、2型糖尿病における緑茶とコーヒーの相加効果について調べた日本の研究「Additive effects of green tea and coffee on all-cause mortality in patients with type 2 diabetes mellitus: the Fukuoka Diabetes Registry」の要旨をまとめました。