2020/10/2、サウナ浴は認知症を予防するか？調べたフィンランドの研究「Does sauna bathing protect against dementia?」の要旨をまとめました。サウナ浴のような反復的な暑さ暴露は、認知症の進行に対して有益な影響がある可能性が示唆されています。しかしながら、疫学的エビデンスは十分ではありませんでした。そこで、サウナ浴中の暑さ暴露（サウナ浴の頻度、サウナセッションの頻度、サウナ滞在の長さ、サウナ温度等）と認知症リスクとの関係を調べるために、フィンランド、「Finnish Mobile Clinic Follow-up Survey」にて、認知症の診断のない、30歳から69歳の男女、13994例を対象に、前向きコホート研究を実施しました。39年間の追跡にて、認知症の診断1805例を認めました。サウナ浴の情報は問診にて収集しました。Coxモデルにて、サウナ浴の変数と潜在的な交絡因子を解析しました。結果、サウナ浴の頻度は、認知症のリスク因子と考えられれている潜在的な社会人口、生活習慣、内分泌のリスク因子の調整後、認知症リスク減少と関連を認めました。月9-12回の頻度のサウナ浴は、サウナ浴習慣なしまたは月4回未満の頻度のサウナ浴と比べて、認知症のハザード比は、追跡開始最初の20年間0.47（95% CI = 0.25-0.88）、全追跡期間0.81（95% CI = 0.69-0.97）でした。本結果はサウナ浴は認知症に対して対抗的に働くという仮説に矛盾しないものです。サウナ浴の有益性を証明するためにはさらなる研究が必要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33088678
サウナは認知症を抑制するかも知れないというフィンランドの報告です。
以前、サウナの医学的エビデンスをまとめましたが、アップデートが必要ですね。
「サウナの健康への影響について医学的エビデンスをまとめました。」
https://ochanomizunaika.com/11655

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