2020/2/25(火)、冠動脈バイパス術後の外来心臓リハビリテーションに積極的に参加することと長期予後との関係を調べた日本の研究「Active Participation in Outpatient Cardiac Rehabilitation Is Associated With Better Prognosis After Coronary Artery Bypass Graft Surgery – J-REHAB CABG Study -」の結果をまとめました。

2020/2/25(火)、冠動脈バイパス術後の外来心臓リハビリテーションに積極的に参加することと長期予後との関係を調べた日本の研究「Active Participation in Outpatient Cardiac Rehabilitation Is Associated With Better Prognosis After Coronary Artery Bypass Graft Surgery – J-REHAB CABG Study -」の結果をまとめました。冠動脈バイパス術(coronary artery bypass graft surgery: CABG)後の外来心臓リハビリテーションが運動キャパシティ、長期予後に与える効果についてのエビデンスはほとんどありませんでした。日本において、冠動脈バイパス術後の外来心臓リハビリテーションに参加することは運動キャパシティと長期予後を改善するかどうか、多施設コホートを実施しました。冠動脈バイパス術後346例を対象に、心肺運動試験を術後2-3週間の早期と3-6ヶ月後に実施しました。心臓リハビリテーションへの参加が活動的240例、非活動的106例と二群に分けて、3.5年間追跡しました。一次転帰は主要有害心臓事象として、全死亡、急性心筋梗塞、不安定狭心症、心不全悪化による再入院としました。3-5ヶ月後のベースラインからの最大酸素摂取量(Peak oxygen uptake)の変化は、活動的群は非活動的群と比べて有意に上昇(+26±24% vs +19±20% P<0.05)を認めました。主要有害心臓事象の発生率は有意に低下(3.4% vs 10.5% P=0.02)を認めました。多変量Cox比例ハザード解析の結果、外来心臓リハビリテーションに参加することは主要有害心臓事象の有意な決定因子(P=0.03)でした。冠動脈バイパス術後、外来心臓リハビリテーションに積極的に参加することは積極的に参加しなかった場合と比べて、運動キャパシティを大きく改善し、心血管事象なしに生存率を改善することがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/advpub/0/advpub_CJ-19-0650/_article/-char/ja
心臓リハビリテーションを積極的に実施するとより長生きであるという報告です。リハビリテーションの研究は個別性が高く、なかなか有意差を出すことが難しいのですが、心臓リハビリテーションは効果があるという日本からのエビデンスです。外来で心臓リハビリテーションを実施している医療機関は少ないですが、ウォーキング、ジョギング、ランニング等、日常生活の中でも十分に実施可能です。


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