2020/1/3(金)、急性虚血性脳卒中後の臨床予後と喫煙状況の関係を調べた日本の研究「Smoking Status and Functional Outcomes After Acute Ischemic Stroke」の結果をまとめました。

2020/1/3(金)、急性虚血性脳卒中後の臨床予後と喫煙状況の関係を調べた日本の研究「Smoking Status and Functional Outcomes After Acute Ischemic Stroke」の結果をまとめました。喫煙は脳卒中の確立されたリスク因子ですが、脳卒中発症前の喫煙状況が虚血性脳卒中後の臨床アウトカムにどのような影響を及ぼすか調べるために、日本における多施設共同の脳卒中レジストリにおいて、2007年から1017年までに急性虚血性脳卒中で入院した10825例を対象に、喫煙状況を、一度も喫煙したことがない(nonsmokers)、過去の喫煙者(former smokers)、現在の喫煙者(current smokers)の3つに分類、臨床アウトカムとして、3ヶ月後の機能予後不良(modified Rankin Scale score ≥2)、機能依存(modified Rankin Scale score 2–5)としました。結果、平均年齢70.2歳、37.0%女性、4396例(42.7%)非喫煙者、3328例(32.4%)過去の喫煙者、3328例(32.4%)現在の喫煙者でした。非喫煙者を基準とした交絡因子調整後の機能予後不良のリスクは、現在の喫煙者(OR 1.29 95%CI 1.11–1.49)、過去の喫煙者(OR 1.05 95%CI 0.92–1.21)でした。過去の喫煙者において、禁煙が直近の2年以内の場合は高いリスク(OR 1.75 95%CI 1.15–2.66)を認めました。現在の喫煙者においては、1日あたりの喫煙本数が増えるにつれて機能予後不良のリスクは有意に上昇(P for trend=0.002)を認めました。機能依存のリスクにおいても同様の傾向が認められました。 現在または過去の喫煙は急性虚血性脳卒中後の機能不良のリスクを増加させることがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/STROKEAHA.119.027230
喫煙が脳卒中のリスクであることは以前から知られていますが、脳卒中を起こした場合の障害の程度に関しても喫煙者のほうが予後が悪いという研究結果です。

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